野村萬斎、オペラ初演出に挑む 喜歌劇「こうもり」能・狂言の発想生かし
2023/11/17 09:00 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20231117-VVNQAQR23NJ3FELT4NHNKEXNKM/


今年度の全国共同制作オペラとして、ワルツ王と称されるヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇(オペレッタ)「こうもり」が19日の滋賀を皮切りに、東京、山形と全国3カ所で上演される。タクトを振るのは「こうもり」を十八番とする阪哲朗。演出を担うのは狂言師の野村萬斎。萬斎は自分らしいオリジナリティーの強い舞台にしたいと意気込む。

全国共同制作オペラは文化庁の助成を得て、全国の劇場や芸術団体などが共同で新演出オペラを制作するプロジェクトで、平成21年度にスタートした。これまで劇作家の野田秀樹が演出した「フィガロの結婚」や、ダンサー・振付家の森山開次演出の「ドン・ジョヴァンニ」などが上演されてきた。

オペレッタは歌のほかに踊りやせりふがあり、オペラよりも諧謔的で娯楽性に富んでいる。今回、オペラ初挑戦という萬斎は「オペラとオペレッタは、能と狂言のようなものでは。歌がどちらかというとシリアスなのがオペラで、せりふが入ったり、お気楽にやっているのがオペレッタと聞いている」と説明。

また、珍しいものに人々は感動するという世阿弥の「珍しきが花」という言葉を紹介しながら、「それなりに珍しいものにしようと思っている。今までの定型を保ちつつ、日本ならではの発想、能・狂言ならではの発想を生かしたい」。

オペレッタの最高傑作とされる「こうもり」。初演は1874年だが、その前年にウィーンの株価が大暴落し、大恐慌に。庶民の暮らしが苦しくなる中で「ままならないことは忘れよう。忘れることは幸せだ」と能天気に歌い、最後は「すべてはシャンパンのせい」とお酒をたたえる明るい合唱で大団円を迎える。


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