ジャニー喜多川氏による性加害は、ジャニーズが結成された60年代初期から起きていた。隠蔽したのは当時権勢を誇ったナベプロで、そのマスコミ支配の構図は今日まで引き継がれた。(編集部)

■1962年、ジャニーズ結成直後から性加害が

 ジャニー喜多川による性加害の問題は1960年代にすでに事件化し裁判になっている。しかも裁判についての報道も多くなく、多くのマスコミが沈黙するという、現在に至るジャニーズ事務所問題の核心がすべてそこに見られている。

(中略)

 当時はまだメリー、ジャニー姉弟に権力はなく、雑誌社等に圧力をかけたのはナベプロなのである。しかもナベプロはジャニー喜多川の性癖とわいせつ行為を認識していながら放置した。この時ナベプロがジャニーの醜行を咎(とが)め、少なくとも彼を芸能界から追放または刑事告発していれば「1950年代から2010年代半ばまでの間にほぼ万遍なく」「少なく見積もっても数百人の被害者がいる」(再発防止特別チーム調査報告書)という甚大な被害は起きなかったろう。

 だがナベプロは喜多川姉弟を擁護し、あまつさえ彼らに芸能プロダクションの旨味を伝授した。結果、ナベプロ式マスコミ操縦法を学んだ姉弟は独立後、同じ手口でスキャンダルを封殺する術を行使し、メディアに甘い汁を吸わせて所属タレントを売り込み、社勢を拡げていったのだ。その果てに、今までのジャニーズ事務所の権力がある。

 つまりジャニーズ問題の病巣はそもそも60年代に発覚していたジャニー喜多川の性加害について、メディアが自覚的に沈黙し続けた点にある。またプロダクションによるマスコミ操縦はジャニーズ事務所に限られた問題ではなく、その支配と服従の関係はナベプロ全盛時代の60年代から延々とマスコミに根深くはびこる宿痾(しゅくあ)、業病の類といえるだろう。

 本来、芸能界にはびこる悪弊や犯罪を監視し、告発すべき大手マスコミがその任を果たさず、半世紀以上にわたりジャニーズ事務所を擁護し加勢し、問題に沈黙し続けた罪はあまりにも大きい。大手マスメディアは深く自省し、過去のすべてを明らかにし、いわば彼ら自身もまた「解体的出直し」をしなければならない。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/7800ce0db56576c6a00dd5a1fb7e6404b58a7049