6/22(木) 19:37配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/acb31e117ed8454b5b34ecae3de1dec3ae0f0cdb

 映画配給大手の東映で働いていた20代の女性社員が22日、セクシュアルハラスメントや長時間労働などで精神疾患を発症したとして、中央労働基準監督署(東京都)に労災を申請した。女性と労働組合「総合サポートユニオン」がこの日記者会見して明らかにした。

 同労組によると、2019年に入社した女性はテレビドラマ「相棒」の撮影に携わっていた際、60代の男性スタッフから「会いたい」などと頻繁に連絡されたり、撮影現場で手を握られたりするなどのセクハラを受けたという。

 さらに、残業が長時間に及んだこともあり、20年2月に適応障害を発症。その後休職し、退職に追い込まれた。発症の直近の残業時間は、1カ月で143時間に上った。

 東映は、女性の長時間労働や残業代の未払いなどについて、21年11月から3回にわたり労基署から是正勧告を受けた。その上、社外弁護士による調査で、スタッフの行為の一部はセクハラと認定された。

 このため、22年末におわびを記した文書を同労組に送った。しかし、女性らから労災申請への協力を求められても、事業主証明への協力を拒否したほか、賠償も申し出ていないという。

 女性は「東映には映像業界の環境改善に向き合ってもらいたい。ホームページでの謝罪や再発防止策の公表などもしてほしい」と訴えた。【藤沢美由紀】