将棋の伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦が5月18日に行われ、佐々木大地七段(27)が羽生善治九段(52)に勝利した。この結果佐々木七段は、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負に続き王位戦七番勝負でも挑戦権を獲得。夏季に行われる2つのタイトル戦で若き絶対王者・藤井聡太王位(竜王、叡王、棋王、王将、棋聖、20)と“十二番勝負”を戦う。

佐々木七段がタイトル初挑戦を決めた棋聖戦に続き、王位戦でも挑戦者に名乗りを上げた。決勝の大一番で対戦したのは、タイトル通算99期のレジェンド・羽生九段。振り駒で先手番となると、得意の相掛かりを志向した。互いの構想を測り合うようなじりじりとした進行から、終盤戦に突入すると一気に激しい戦いに。先手は勝負を見極めるように55分の長考から、羽生九段の攻めにも動じずじっくりとチャンスを伺っていた。

佐々木七段の後手陣を乱す歩の成り込みの一手から、長く均衡が保たれていた形勢は先手側へ。長く受けに回っていた佐々木七段が攻勢に出ると、緩みのない堂々たる差し回しを見せ、羽生九段の粘りを振り切り勝利。王位戦初挑戦とともに夏季に行われる2つのタイトル挑戦を決めて見せた。

終局後、佐々木七段は「毎年リーグ入りして目標にしていたので、今回挑戦できて嬉しいです」とコメント。1日制で行われる棋聖戦に続き2日制への挑戦を決めたことについては「1日制とは勝手が違うと思うので、いろいろ準備して良い将棋が指せるように頑張りたいです」。さらに、藤井王位との“十二番勝負”に向けて「体調管理をしっかりして、自分の将棋を指せるようにしたいと思います」と意気込みを語った。

一方、6期ぶりの王位戦七番勝負挑戦を目指していた羽生九段は決勝戦で敗退。今期を振り返り、「ここまで進めたのは良かったが、最後は残念だった」と肩を落としていた。年初の第72期ALSOK杯王将戦七番勝負に続く藤井王位とのタイトル戦にも期待が寄せられていたが、“再戦”は持ち越しとなった。

藤井王位との七番勝負は、7月7・8日の両日に愛知県豊田市の「豊田市能楽堂」で開幕する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
https://times.abema.tv/articles/-/10080149

2023/05/19 00:00