3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の世界一に貢献した山本由伸ら、名前に「山」がつく好投手が多いオリックス投手陣は、
ファンの間で「オリックス山脈」と呼ばれている。相手打線の前にそびえ立つ山並みに今季3年目、20歳の剛腕、山下舜平大(しゅんぺいた)が加わった。
体力強化や疲労蓄積の防止のため登板翌日に登録抹消を繰り返す「中10日の怪物」のモットーは「真っすぐは高めで勝負」だ。

まだ規定投球回には達していないが、27日現在で2勝0敗、防御率0・52。奪三振率(9回投げた場合の平均奪三振数)は12・98で、佐々木朗希(ろうき)
(ロッテ)の13・50にも迫る成績を残している。

福岡大大濠高出身。2020年秋のドラフト会議の1位指名で佐藤輝明(阪神)の抽選に敗れたオリックスから指名された。190センチ、98キロの恵まれた
体格から投じられるのは最速158キロの重いストレートと120キロ台のカーブ。フォークボールもあるが、未完成な部分があり、真っすぐとカーブだけで
打者をねじ伏せる昭和の投手のような投球スタイルだ。

先発ローテーション投手の山本、宮城大弥(ひろや)がWBCに出場したこともあり、3月31日の開幕戦ではプロ初登板で開幕投手を任され、西武打線相手に
六回途中1失点と好投。4月11日の楽天戦でプロ初勝利を挙げると、本拠地初登板だった23日の西武戦でも7回無失点で2勝目。決勝2ランを放ち、
ともにお立ち台に上がったメジャー通算107本塁打を誇るゴンザレスからは「真っすぐがものすごい。メジャーでも通用する」との言葉をもらった。

高校時代は甲子園出場はなし。「高校野球がピークではない」という監督の方針でストレートを磨くことに重点を置き、変化球もカーブに限られた。プロ入り後は
体づくりを重視し、2年間は1軍登板なし。徐々に球速がアップし、昨季の日本シリーズではベンチ入りを経験。今季のブレークが期待されていた。

名前に由来する「シュンペーター」の愛称で、ファンの心をわしづかみにしている背番号12。剛球の源として試合前に好んで食べるのは丼もの。「がっつり食べてる。
牛丼が出たら最高」。エースの山本、山岡泰輔、山崎福也(さちや)、山崎颯一郎らとともに「オリックス山脈」の一員として腕を振る右腕は、24日に登録抹消され、
再登録は5月4日以降。この日、チームはビジターでソフトバンクとの試合が組まれており、地元の福岡での凱旋(がいせん)登板になる可能性がある。

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