「2日間で11曲も歌入れをした」盟友の提案でジャズをやることに…「大人になった」山下久美子の新しい挑戦
4/21(金) 17:12 文春オンライン
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「昔の私は、ジャズなんて歌っちゃいけないと思っていたんです。敷居が高いというか、安易に近づけないって感じていた。でも今は、気負わずに、気取らずに、本当に自然体で歌えるんですね。時が巡って、そういうタイミングがやって来たのかな」

 山下久美子さんは最新アルバム『JAZZ”N”KUMIKO』で初めてジャズに挑戦した。収められているのは「ダニー・ボーイ」などのスタンダードナンバー7曲と、新たなアレンジを施したセルフカバー4曲。設立間もない新レーベル「JUDGMENT! RECORDS」の第一弾として、4月26日にリリースされる。

 本作が生まれたきっかけは、1980年代にディレクターとして彼女を担当した盟友、渡辺康蔵氏からの誘いだった。

「ジャズアルバムを作らないかって声をかけてもらったんですけど、気心の知れた人からのオファーだったので、新しい試みにもスムーズに取り組めました。改めていろんな曲を聴き込んでみて、実際に歌ってみて、スタンダードナンバー恐るべしって思いましたね。感情が込み上げてきて、本当に泣きたくなっちゃう。これはきっといいアルバムになるだろうなって」

 レコーディング期間は、わずか2日。ハードなスケジュールだったが、腕利きのプレイヤーたちとの仕事はとても楽しいものだったという。

「ジャズミュージシャンの皆さんって、本当に物腰が柔らかくて、優しいんです。尖ってるロックの人たちと全然違う(笑)。だから私もリラックスして歌うことができました。しかも、物腰は柔らかいのに演奏は力強くて、ベースの音を聴いて『ロックじゃん』って思ったり。とても面白かった。2日間で11曲も歌入れをしたのはデビュー以来初めてですね。全部やり遂げたときは、シャンパンでも開けたい気分でした(笑)。以前の私だったら『そんなの無理』ってワガママを言ってたかもしれないけれど、それだけ大人になったのかな」

 ジャズにアレンジされたセルフカバー曲も、このアルバムの聴きどころだ。選ばれたのは80年代に発表された4曲。たとえば83年のヒット曲「こっちをお向きよソフィア」は、軽快なナンバーから一転、情感豊かなボサノヴァへと生まれ変わっている。

「本当にアレンジできるの? って実はちょっと心配してたんです(笑)。でも、ミュージシャンたちがさすがなのね。音を出した瞬間、新しい曲に生まれ変わってた。私のコアなファンの人たちにも、きっと楽しんでもらえると思います。今回のアルバムは、人生のBGMというか、日常生活に溶け込むように聴いてもらえたら嬉しいですね」

(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)

後藤 匡宏/週刊文春 2023年4月27日号