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エスコンフィールドで練習する日本ハムの選手たち(撮影・井上学)

プロ野球開幕戦・日本ハム×楽天はテレビ東京で全国放送 担当Dが語った中継のポイントと工夫
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 プロ野球がいよいよ開幕する。先陣を切って30日に唯一行われる開幕戦、日本ハム-楽天(午後6時半)はテレビ東京が生中継。日本ハムの新本拠地、エスコンフィールドHOKKAIDOのこけら落としでもあり、侍ジャパンのWBC優勝でも高まる野球熱の中で注目の一戦をどう伝えるのか。中継を担う同局スポーツ部の金子卓麿ディレクター(42)に話を聞いた。

 日本列島が熱狂した熱を冷ますわけにはいかない。金子ディレクター(D)は「なかなか立ち会えない一生に1度のチャンスです。いつも野球を見ている方も、そうでない方にも楽しんでもらえるような中継にして、全国の方に楽しんでもらいたい」と力を込める。

 中継は試合開始1時間前の午後5時半から始め(TVQ九州放送のみ午後6時25分から)、日本ハムOBの斎藤佑樹氏や、テレ東系バラエティー「モヤモヤさまぁ~ず2」に出演する、さまぁ~ずと田中瞳アナウンサー、北海道出身の平成ノブシコブシ、吉村崇らがゲスト出演。天然温泉サウナやクラフトビール醸造所など世界初の施設や、日本初の球場内ホテルなど、見どころ盛りだくさんの新球場についてリポートしていく。

 試合では元日本ハム監督でWBC日本代表を率いた栗山英樹監督(61)も放送席ゲストとして出演する。金子Dによると栗山監督には1月上旬にオファーしており、当初は「WBCに集中したいので今は判断できない」と保留状態だったが、世界一を手土産に、21年まで約10年間指揮していた古巣への凱旋(がいせん)が決まったという。試合では解説は行わず、WBCの秘話や新球場についてトークを繰り広げる予定だ。

 テレビ東京がプロ野球中継を行うのは年間数試合のみ。なぜ今回のような節目の一戦を中継するに至ったのか。金子Dは日本ハム側からの打診がきっかけだったと明かし「もともと日本ハムさんとは毎年の試合中継を通じて、関係値がありました。また、我々と同様に球団として新しいことをやろうという思いで動かれていて、中継においても『こういうことできないか』など、去年までもいろいろとお話があって、今回もお話をいただいて決まりました」。

 その思いの通り、試合では日本野球中継初の試みにも挑戦する。ひとつ目はロビーカムの導入。14年冬季ソチオリンピック(五輪)開会式でも使用された4点つりケーブルカメラシステムで、空中を縦横無尽に可動しての臨場感あふれる映像を届ける。すでにサッカーやバスケットボールなどのフィールドスポーツ、アーティストのライブなどで採用されており、満を持しての導入となった。

 ふたつ目は世界最高40倍ズーム、世界最望遠1000mmを実現した放送用ズームレンズの導入。富士フイルムで開発中のもので、海外のスポーツ中継で導入され始めた、スポーツを映画のような質感で撮影する技術だ。浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現で、視聴者に新たな観戦体験を届ける。

 金子Dはこの映画のような質感となる映像撮影について「1塁側にカメラを置いていて、主に投手や打者にレンズを向け、生の野球中継だけどドキュメンタリーをみているような、よりドラマチックな映像が実現できると思います」と語る。

 このほか主審目線で試合を見る「主審カメラ」やWBCでも導入されていた打者の弾道や投球の軌道をCGで映し出すなど、視聴者を楽しませる工夫を多くこらした。DAZNやABEMAなどネット中継の進出著しいスポーツ界であるが「WBCからの流れで、テレビで見ていただく習慣を継続していってほしいという願いがあります」と願い「今回のような技術の導入や、さまぁ~ずさんらゲストの出演、CGの駆使などで、野球中継に限らずスポーツ中継の違いを出していきたい」と語った。

 今回、テレビ東京からは約100人のスタッフが北海道入り。通常は北海道の技術会社に委託して中継を行っていたが、今回は技術スタッフもオールテレビ東京で手がける。「歴史的な試合なのでテレビ東京としてやりたいということで、力が入っています。期末の時期にゴールデンで野球中継を放送することは勇気のいる判断ですが、それをスポーツ局、編成、営業がいち早く決断しました。さまざまな部署が一体となって会社がひとつとなる、いいきっかけになる中継になると思います」。…
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