WBC経済効果、大幅上方修正 優勝なら650億円も


ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で米国に渡った日本代表は、準決勝のメキシコ戦に臨む。

ここまで大谷翔平投手(28)が期待通りの活躍を見せているほか、ラーズ・ヌートバー外野手(25)ら新戦力も日本人の心をつかんだ。
ファンのボルテージも高まる一方で、関連ビジネスも特需状態となっている。侍ジャパンが優勝を果たした場合の経済効果の試算も、大幅に上方修正された。


テレビのワイドショーや情報番組も連日、二刀流にペッパーミル、佐々木朗希投手(21)のチェコ宿舎訪問など侍ジャパンの話題が伝えられ、異様な盛り上がりだ。

東京ドームでの今大会最後の試合となった16日の準々決勝イタリア戦も、関東地区の平均世帯視聴率が48・0%と今年の視聴率トップになり、WBCの中継としても歴代1位となった。
1次リーグを含む全5試合で40%超えの高視聴率をマークするなど国民的行事≠フ様相だ。

東京ドームのグッズ売り場には長蛇の列ができて争奪戦となった。
フリマアプリ「メルカリ」では、大谷のレプリカユニホームが10万円前後の価格帯で売買されている。


関西大の宮本勝浩名誉教授(数理経済学)はWBC開幕前の2月21日、侍ジャパンが優勝した際の経済効果を約596億4847万円とする試算を公表した。
宮崎での強化合宿や壮行試合関連、スポーツカフェやメディアの売り上げ、選手やコーチの出場料、賞金などを元に算出したという。

イチローやダルビッシュらの活躍で日本が連覇を果たした2009年大会時の「約506億円」を大きく上回る水準だが、それでも宮本氏は、ここまでの異様な熱気を予想していなかったという。

大会前から大きな盛り上がりを見せていたことや、大会期間中のスポーツカフェなどの客数増、メディアの収入増などが見込まれるとして「600億円を超え、650億円に届く経済効果をもたらす可能性もある」と宮本氏は指摘する。


もちろん侍ジャパンの優勝が条件だ。宮本氏はこう力説する。

「優勝したら銀座でパレードをすれば、大谷やヌートバーら米国組はいなくても、活躍した選手を一目みようと人が集まるでしょう。飲食や買い物、宿泊への効果が大きい。負けたのではあかんのですよ」


宮本氏は将来的な野球人気の拡大にも期待を込める。

「野球を知らなかった高齢のご婦人も『大谷はええね』といった風潮が見られる。WBCで新たにファンになった人が今後、球場にも足を運ぶ可能性もあり、後々にまでつながる野球ファンを掘り起こす貢献を生む。そうなれば600億円を大きく上回る経済効果を将来にわたってもたらすだろう」と見通した。


https://news.yahoo.co.jp/articles/b36236a1a880807dfd95183de1d9705270afcada