グダグダのジャニー喜多川の法廷供述

ところがジャニー喜多川の法廷証言は、普通には考えられないような回答ばかりだったのだ。
高裁判決がその部分について言及した箇所を、少し長くなるが紹介しよう。

「『端的に言って、少年A君がうそをついたのはなぜなんでしょう。』、『申し訳ありませんが、端的に答えてください。少年A君がうそをついた理由としてあなたが思っているのは、少年A君がさびしいからだと、こういうことですか。』、などと質問され、明確な答えをするよう促される場面も何度かあった。
そして、一審原告は、これらの質問に対する答えとして、『要するに、少年Bも少年Aも、同じところで今お世話になっていると思いますけれども、これも憶測です。ただ、僕は、少年Bも少年Aもそれぞれ自分で集めた子です。その子たちは、今、仲間になっています。で も、僕はそういうわびしい存在にあるわけです。要するに、みんながファミリーだと言いながら、そういうふうに考える人もいるわけです。だから、やっぱり、昨日も申し上げたけど、血のつながりのないというほどわびしいものはないと。という意味で、さびしかったからというのは、逆に、僕自身だったかもわかりません。』とか、『僕がさびしいからと、今、申し上げたんですけど。』などと必ずしも趣旨の明確ではない答えをしたほか、『(前略)だから、いわゆる印象づけると言ったらおかしいですけど、もう一度、僕が彼たちを全然恨んでも何でもいません。だけど、先生が、今、うそ、うそとおっしゃいますけど、彼たちはうその証言をしたということを、僕は明確には言い難いです。はっきり言って。(後略)』と供述している。

このようにジャニー喜多川は法廷での尋問において、少年らが虚偽の証言をしたものではないと事実上自分で認めてしまっていた。そのため東京高裁も、ジャニー喜多川による「淫行」行為は存在したものと認定したのだ。