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支離滅裂な答弁(C)日刊ゲンダイ

高市早苗氏「羽鳥アナの大ファン」の支離滅裂…行政文書をめぐる国会質疑は“学級崩壊”状態
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 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を機に、日本代表(侍ジャパン)選手の姿や試合を見守る観客らのマナーがSNSなどで拡散。世界で日本に対して「クールジャパン」などと称賛の声が出ているが、その日本の国権の最高機関である「国会」の様子はと言えば、とてもじゃないが恥ずかしくて見せられないだろう。連日、放送法の「政治的公平」をめぐる解釈変更の経緯について記した総務省の行政文書に関する質疑が行われているのだが、ほとんど学級崩壊状態となっているからだ。

 たとえば13日の参院予算員会では、高市早苗経済安全保障担当相が「捏造」と否定していた「2015年2月13日の大臣レク(説明)」について記された行政文書の質疑があり、総務省の小笠原陽一情報流通行政局長が「行われた可能性が高い」と答弁。これに対し、高市氏は「その時期はたくさんレクがあり、何月何日の何時にどのレクがあったか、確認の取りようがない」「紙に書かれている内容は自信を持って否定する」などと釈明していたのだが、普通に考えれば高市氏の曖昧な「記憶」と、総務官僚が克明に記していた「記録文書」のどちらの方が信ぴょう性が高いかは一目瞭然。

 さらに高市氏は「確認の取りようがない」と言いながら、なぜ、内容は「自信を持って否定」できるのかもさっぱり分からない。質問に立った立憲民主党の福山哲郎元幹事長はあきれた様子で、「大臣の自信なんて聞いていない。自分の言葉で言うだけで何の証明もない」と突き放したのも無理はないだろう。

■「羽鳥アナウンサーの大ファン」の支離滅裂

 そして極め付きは、「正確性について話をさせてください」と切り出した際の答弁だ。

「私は恥ずかしながら、報道番組、ニュース番組は朝食、夕食の時間帯に見ているが(番組の)見比べはしていない」「しかも、テレビ朝日をディするはずもございません。恥ずかしながら、羽鳥(慎一)アナウンサーの大ファンで、朝は8時から8時5分までの間は、羽鳥さんの顔をひと目見て出かけるくらいでございます」

 そもそも行政文書の真偽とは全く関係がなく、ファンでなければ行政文書は本物と認めたとでもいうのか、支離滅裂だ。

 質疑をめぐっては他にも、高市氏が答弁をダラダラと引き延ばす様子や、松本剛明総務相が高市氏に代わって答弁しようと繰り返し挙手するなど、「クールジャパン」には程遠い内容だった。

 当時の総務省幹部らを国会に参考人招致して確認すればいいだけなのだが、立憲民主党の杉尾秀哉議員のツイッターによると、《(当時の)礒崎補佐官、山田元総理補佐官、安藤元局長の3人の参考人招致も与党側に拒否され、今のところ実現していません》というからグダグダだ。