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そんな中国だが、実は現在のリーグが発足する以前からプロ野球は存在していた。2002年に設立された中国野球リーグ(CBL)がそれで、6年後に控えていた北京オリンピック(2008年)に向けた強化も図ろうとしていたのだ。...

しかし、肝心の北京オリンピックでは8チーム中8位の最下位に終わり、野球への関心は急速にしぼんでしまう。
リーグから撤退する球団やスポンサーが相次ぎ、2012年と13年はリーグ戦自体が開催されなかった。天から地への直滑降だった。

リーグ戦は基盤がもろく…
2008年の北京オリンピック開催からわずか数年で凋落したのには、リーグの収益モデルがもろいことにも理由にある。...

近年、習近平政権はスポーツの産業化、強靭化を掲げ、莫大な資金を投じようとしている。
わずか4チームのCNBLも、MLBと提携。韓国とは指導者の交流や協力を通じて、野球産業の底上げを図ろうとしている。
今度こそ暗黒時代を終わらせ、飛躍の舞台を整えられるだろうか。

それでも"多い"競技人口
2019年にMLBが実施した調査によると、中国の「野球人口(興味がある人口)」は2100万人という。
年に1度以上、試合をしたり、グッズを買ったりして楽しんだ人は1730万人で、このうち観戦者は970万人、プレー経験者は850万人だった。
統計手法が違うだろうから単純比較はできないが、日本の野球の競技人口は700万人超と言われており、
中国は競技人口だけでも日本を上回る。その数は一見多そうに見えるが、総人口14億人の中国。
バスケットボール、サッカー、卓球、体操、バドミントンの国内5大スポーツはおろか、ベスト10にも入っていないのだ。
野球に積極的に関心を寄せるのはわずか1.5パーセント。この人口規模に面目を一新するポテンシャルはあるだろうか?