3月開幕のAFC U20アジアカップウズベキスタン2023に向け、U-20日本代表は現地でトレーニングを続けている。DF諏訪間幸成(筑波大)は26日のU-21 FCパフタコールとの練習試合で、セットプレーからチーム2点目をマーク。日本を発つ前には、父であるプロレスラー・諏訪魔から「とにかくがんばってこいよ」と言われたという。

 U20アジア杯の初戦を3月3日に控える日本。同大会でベスト4に入れば5月のU-20W杯出場権を手にすることができる。26日に行われたU-21 FCパフタコールとの練習試合(○5-2)では、1-1で迎えた後半13分に諏訪間が躍動。CKを得意のヘディングシュートで決め切った。

 2021年のU-18日本代表候補からは、しばらく代表から遠ざかっていた。だが、去年のU-19日本代表のスペイン遠征で招集。筑波大で一年鍛えた成果を発揮し、今回のメンバー入りを果たす。冨樫剛一監督もメンバー発表のオンライン会見時に「ものすごく成長していた。強さが増した。この最終予選は“戦い”になる。そういう部分を期待して選んだ」と選出理由。諏訪間も「球際だったり、“戦い”は嫌いじゃない」と語っていた。

 現地での練習試合を終え、諏訪間はオンライン会見に出席。ウズベキスタンのチームにも「フィジカル的に相手に負けたとかはなかった」と胸を張る。「試合が始まって、先制点を取られたら本当に厳しいペースになる。後ろとしては絶対にゼロで抑えて、前の人たちに気持ちよくプレーさせてあげたい」。本番に向けて気合いを入れ直した。

 プロレスラーでもある父・諏訪魔の影響で、自身も4歳からレスリングをやっていた。だが、いま振り返ると「嫌々でやらされていた(笑)」とも語る。サッカーとの出会いは南アフリカW杯観戦。「小1のときクラスメイトがサッカーをやっていて楽しそうだなと」。小学1年生の秋、レスリングからサッカーへの転向を決めた。

 だが、父の反対はなかったという。「自分の好きな、やりたいことをやればいいという感じ。サッカーに対して、あんまり口出しすることもなく伸び伸びやらせてくれていた」。中学からは本格的にサッカーに打ち込む。横浜F・マリノスのジュニアユースに入り、U-15世代から日本代表にも名を連ねた。横浜FMユースではキャプテンも務める。その縁は生きており、今回の遠征でも横浜FMのサポーターからエールが送られたという。

 父からの教えは、勝負に対する姿勢だ。「試合が終わるまで、最後まで戦い続けろと」。幼少期は試合中でも負けていたら涙を流していた。「顔を上げろと口酸っぱく言われていた」と父との思い出を口にした。

 今回の遠征でも、父とやりとりはあったという。「とにかくがんばってこいよと、W杯の出場権は絶対に取ってこいと言われました」。それは親子として、そして同じアスリートとしてのエール。その言葉を胸に、厳しく険しいアジアの戦いに挑む。

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