「週刊文春」編集部

 早期退職制度を利用し、2月末で退職することが発表されたNHKの武田(たけた)真一アナウンサー(55)。日本テレビ系『スッキリ』の後継番組として、4月に始まる『DayDay.』(月~金曜午前9時)のMCに内定したとされるが……。

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『クローズアップ現代+』のキャスター降板に政権への忖度?

 武田アナと言えば、2008年から9年間、報道番組『ニュース7』のメインキャスターを務めたNHKの“顔”。『7』のサブキャスターだった内藤裕子アナ(現フリー)が振り返る。

「武田さんはどうスタジオショーを展開するか、放送開始ギリギリまで考えていましたが、常に冷静沈着で『放送で命を守る』という信念と覚悟を持って臨んでいました。『上手な人の耳コピをするといいよ』とアドバイスされ、武田さんの“間”や緩急の付け方を耳コピしましたね。私がフリーになった時は『内藤さんしかできない声を大事に』と言って頂いたことを覚えています」

 17年から看板番組『クローズアップ現代+』のキャスターを務めていたが、21年3月で降板し、大阪放送局に異動。背景には、政権への忖度があったのではと訝しむ声も上がった。

「21年1月の放送で武田氏が『政府の(コロナ)対策は十分なのか』と問うと、ゲストの二階俊博幹事長が『そんなケチをつけるもんじゃない』と不快感を示しました。武田氏は『俺が番組を立て直す』と意気込んでいただけに、降板には納得がいかなかったようです」(NHK局員)

“日テレ移籍”を決めた理由

 武田アナの“日テレ移籍”は、この大阪への異動も要因の1つとされている。

「高校の同級生だった妻と2人の息子を残し、単身赴任中でいつ東京に戻れるか見えない。人気が衰えないうちにフリーになりたかったのでしょう」(同前)

 だが、移籍の理由はそれだけではないだろう。

「なんといっても、NHKとはギャラの桁が違いますから」(NHK関係者)

『DayDay.』のギャラは年収で1億円超えの計算に

 武田アナの現在の年収は1500万円前後と見られる。家賃約2万円の寮暮らしを経て、15年に都内の一等地に推定8000万円の中古マンション(約70平米)を購入。だが登記簿によれば、4100万円のローンは完済できていない。

「早期退職で約1000万プラスされ、退職金の合計は3500万円ほどでしょう。この退職金でローンは返済できるはずです」(同前)

 では、日テレ『DayDay.』のギャラは幾らになるのか。

「帯番組の相場は、1本あたり50万円ほどです。月~金曜の司会を務めれば、月におよそ1000万円。年収で見れば、現在の7倍、1億円を超える計算となります」(広告代理店関係者)

 早期退職が発表された翌日の2月3日、武田アナは『ニュース きん5時』に出演したが、退職には触れずじまい。放送後、小誌記者が大阪放送局前で待っていると、夜8時過ぎ、男女4人組が談笑しながら現れた。ひときわ響くのは、黒縁眼鏡でマスクをした男性の美声。そう、武田アナである。

 本人に声を掛けた。

武田アナを直撃すると…

――週刊文春です。

「あー。ちょっと、申し訳ないですけど」

――東京から来たんです。

「東京からですか。ご苦労様です。まだ新しい番組も決まってないので。退職するというだけで」

――年収は1億円くらい?

「ハハハ」

――住宅ローンを完済?

「そんなことないです(笑)。日テレさんに限らず、次の就職活動みたいなものはやっていいんでしょうけど、具体的なことはできない。こんなこと、喋っていいのかな(笑)。どことも何の契約もしていませんので」

――遅くまでいらっしゃる。

「反省会やったり。若い人にいろいろ伝えられたらなと。これからご飯食べに行きますけど、追いかけないで下さいね(笑)」

 記者に手を振り、夜の街へと消えていった武田アナ。退職を決め、スッキリしたことは確かなようだ。

https://bunshun.jp/articles/-/60811