■今後の予測

現在の予測では早ければ2023年上半期中にDiamond Sportsの倒産申請(連邦倒産法第11章:日本の民事再生法に当たる)が行われるとが見込まれています。

その場合、各チームがDiamond Sportsと結んでいる放映権契約は債権者によって解除となる可能性があり、新たに他のテレビ局等と放映権契約を結ぶ必要が生じます。もちろん代替契約が現契約と同等又はそれ以上の条件となる可能性は低いでしょう。

ただ、倒産申請の前にMLB・NBA・NHLの各リーグがDiamond Sportsを買収し、新たな契約先が決まるまで各放映権をリーグが直接管理するという手もあります。

実際に昨年秋頃には30億ドルで売却される可能性も報じられていましたが、11月末の第3四半期決算報告(約11億ドルの赤字)を受けて交渉は事実上破綻した模様で、今後もリーグの直接買収が実現する可能性は低いでしょう。

Diamond Sportsが倒産すれば放映権契約云々だけでなく、試合中継の製作・放映そのものにおいても大混乱が巻き起こるでしょうが、もちろんMLBも直接買収交渉以外に何の対策も講じず倒産を待ち受けているわけではなく、ケーブルテレビや衛星放送を用いずローカル放映が視聴できる画期的なストリーミングサービスを準備中との報道も。

何にせよ近いうちにMLBの放映形態が根底から覆されることは間違いなく、多くのチームが不利益を被ることでしょう。