立浪和義さん

「厳しさは必要ですよ。正直、やりにくい世の中になったな、と思います」


PL学園野球部、廃部2年の今に残る最後の灯 2018年08月16日
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PL学園の硬式野球部が活動休止となってから、はや2年である。
1980年代から1990年代にかけて、甲子園のアルプススタンドに巨大な人文字を描き、
絶大な人気を誇った同校野球部の廃部を惜しむ声や、活動再開を求める声(動き)も
すっかり聞かれなくなってしまった。

「自分だけじゃなく、先輩方や後輩が築いてきた伝統が、簡単になくなってしまった。
そして、PL出身の現役プロ野球選手も少なくなってしまった。そのうち、誰もいなく
なってしまったら、忘れられていくんでしょうね。それが一番、寂しいです」
そう話していたのは、元中日の立浪和義だ。KKコンビ(桑田真澄、清原和博)の
2歳下にあたる立浪は、主将を務めていた1987年に春夏連覇を達成。
PL黄金期のシンボルのような選手だろう。

廃部の引き金となったのは、度重なる不祥事の発覚だった。2000年代に入ってから、
先輩・後輩の厳しい上下関係による、暴力の実態が明らかになっていった。

「正直、僕らの時代では当たり前というか、あらゆる学校に、野球部だけじゃなく
いろんな部活動に、上下関係はあったんですけどね。行きすぎた暴力は良くありませんが、
最低限の厳しさは必要ですよ。正直、やりにくい世の中になったな、と思います」
野球部における2年半を生き抜いた者たちは、現代では忌避される部の“伝統”を、
完全否定することはできない。