大阪市福島区の関西将棋会館で10日指された第81期名人戦C級1組順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)で、日浦市郎八段(56)がマスクから鼻を出したまま対局しようとし、警告にも応じなかったとして反則負けの判定を受けた。将棋の棋士がマスクの着用方法を理由に反則負けとなるのは2例目。

日本将棋連盟が新型コロナウイルス感染防止対策として2022年2月から施行した臨時対局規定では、健康上の理由で事前に届け出ている場合を除き、「対局中は、一時的な場合を除き、マスクを着用しなければならない」とし、違反すると反則負けになると定めている。

立会人を務めた小林裕士七段によると、日浦八段は午前10時の対局開始時にマスクから鼻を出したままの状態で、対戦相手の平藤真吾七段(59)がしっかり着用するよう求めたが応じなかった。相談を受けた小林七段が理事と協議し、再三注意したが、「着用はしているが、鼻を出してはいけないというルールはない」と拒否し続けたため、対局開始から48分後に日浦八段に反則負けの判定が下った。日浦八段は、以前からマスク着用の必要性に疑問を呈しており、判定を受け入れたうえで「分かりました。裁判します」と言い残して会場を後にしたという。

22年10月のA級順位戦では、佐藤天彦九段(34)が30分間にわたってマスクを外していたとして反則負けになった。佐藤九段は「過失によるもので、故意ではない」などとして対局やり直しを求めて異議を申し立て、連盟理事らで構成する常務会で対応を協議している。

ソース/ヤフーニュース(毎日新聞社)
https://news.yahoo.co.jp/articles/263aaa77c12a7919451754d7960c124660691732