1/9(月) 3:00配信

 巨人が沖縄・那覇キャンプ中の2月22日に沖縄県内でWBCキューバ代表と練習試合を行うことが8日、分かった。キューバから亡命してメジャーでプレーする選手の参加も今大会から認められ、NPB組からはソフトバンクのモイネロ、中日のロドリゲスとマルティネスら強力救援陣が名を連ねる可能性がある。開幕1軍を目指す巨人の若手にとって世界トップクラスの選手とのマッチアップは、絶好のアピールの機会になりそうだ。

 1軍生き残りをかけた激しい競争の真っただ中で、貴重な国際マッチが組み込まれる。巨人が2月22日、沖縄県内でWBCキューバ代表と強化試合を行うことになった。開幕1軍入りを目指す若手にとっては、最高のアピール機会が訪れた。

 キューバ代表は3月のWBC1次ラウンドA組(台湾・8日開幕)。B組(東京・9日開幕)の侍ジャパンとは準々決勝で対戦する可能性がある。すでに2月19日に中日と練習試合を行うことが発表されており、NPB球団との試合で実戦感覚を磨き、台湾入りして本大会に臨むスケジュール。その中で、かねて侍ジャパンや国際試合に協力的な姿勢を見せている巨人との史上初の対戦が決まった。

 今大会のキューバ代表は他国に亡命してメジャーでプレーする選手の参加も認められ、Wソックスで通算82本塁打のモンカダや、巨人の新外国人で前メッツの剛腕ヨアン・ロペスなど大リーグ経験豊富な選手が予備登録入り。NPB組では中日のロドリゲス、マルティネスの両右腕、ソフトバンクの左腕・モイネロも名を連ね、WBC上位進出を狙える戦力が整いそうだ。

 巨人は2月1~14日まで宮崎、同16日から那覇でキャンプを行う。沖縄では例年、実戦漬けとなる。春季キャンプ中の練習試合など実戦の詳細日程は調整中だが、既に発表されている同23日のヤクルトとのオープン戦初戦(浦添)から開幕に向けて首脳陣による戦力見極め、ふるい落としが加速する。WBC直前で仕上げ段階に入ってくるキューバ代表とのガチンコ勝負でアピールに成功すれば、本格化するサバイバルを前に大きなアドバンテージとなる。

 昨年はリーグ4位。今年はスローガン「奪回」を掲げ、原監督は「22年はジャイアンツの歴史の中でも屈辱的な一年だった。これはもう二度と起こしてはいけない」と強い決意を明かしていた。投手なら井上や堀田、野手では秋広や増田陸ら期待の若手が多く、新人ではドラフト1位の浅野や同2位の萩尾も1軍に同行していれば、キューバ戦に出場する可能性が十分にある。チーム力の底上げへ新戦力台頭は不可欠。初めて行われる「巨人対キューバ」は白熱の一戦になりそうだ。

 ◆巨人の主な国際試合

 ▽13年 WBCに出場する中国代表と3月1日に強化試合(福岡ヤフオクD)。高橋由などベテランも出場して8―1で勝利。

 ▽18年 11月8日に日米野球エキシビションゲーム(東京D)でMLBオールスターと対戦して6―9で敗戦。当時1軍出場経験がなかった松原がランニング本塁打を放ち、メジャー屈指の捕手モリーナが「あの選手は侍ジャパンだろう。えっ? 違うの? すげえ速い」と驚いた。

 ▽19年 3月17日、日本で開幕戦に臨むマリナーズとのプレシーズンゲーム(東京D)を行い4―6で敗戦。坂本が当時メジャー通算93勝のリークから本塁打を含む3安打した。

 ◆キューバの予備登録メンバー 予備登録選手50人の中で最注目は、ソフトバンクのモイネロに中日の勝利の方程式を担うロドリゲス、マルティネスのNPB在籍組。巨人入りが合意に達しているロペスも含め、救援陣は強力だ。一方で攻撃陣でも、亡命してメジャーでプレーする選手も招集が認められ、Wソックスで通算82本塁打のモンカダと3年連続2ケタ本塁打のロベルト、メジャー通算165本塁打のセスペデスらが名を連ねた。現段階では予備登録に含まれていないが、今後にアストロズのアルバレス、アブレイユらのビッグネームが加わるかどうかがカギを握っている。

 ◆WBCのキューバ 2004年アテネ五輪金メダルメンバーが残っていた06年の第1回大会は決勝で日本に6―10で敗れたものの強国キューバをアピール。ところが、その後は亡命してメジャーに飛びこむ選手が相次ぎ、メンバー的にも国内リーグの若手とベテランなどで編成。09年は2次ラウンド(R)で日本に2試合とも完封されて敗退。13年は1次Rで日本に圧勝も2次Rでオランダに2敗して姿を消し、17年も2次Rで3戦全敗し敗れ去った。

報知新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/e84e6a1382cf38b19ea8bf5635a22f5c5609739f