坂本龍一「新境地」3万人が見届けた“ラストライブ” 一日に数曲ずつ収録 計13曲全60分
2022年12月12日 5時30分スポーツ報知
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「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022」を開催した坂本龍一(C)2022 KAB Inc.
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 音楽家の坂本龍一(70)が11日、事前収録した無観客の2年ぶりピアノソロコンサートを日本や欧米、アジアなど約30の国や地域に配信した。同時視聴者数は3万人を超えた。坂本はがん闘病中で、体調面から「これが最後になるかもしれない」と“ラストライブ”を示唆していた。

 魂を込めて弾いた。映像は終始モノクロだったが、繊細な指さばきと、力強いまなざしは健在。映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲や、バンド「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」時代の「東風」など計13曲を披露。最後にビデオメッセージを寄せた坂本は「今回初めてピアノソロで弾く曲もありました。ピアノソロのアレンジや選曲も慎重にやりました。自分としては新境地かなという気持ちもあります」。

 映像は、9月中旬に「日本で一番良いスタジオ」と絶賛するNHK放送センターの509スタジオで、一日に数曲ずつ収録。計60分間のパフォーマンスを完成させた。収録にはニューヨークから映像制作チームが招集され、「映画」として発表される構想もあるという。

(※中略)

 現在は病魔との闘いだ。14年に中咽頭がんを患い、復帰まで約1年の闘病生活を送った。21年1月には直腸がんを公表し、同10、12月には両肺に転移したがん摘出手術を行った。今年3月に「東北ユースオーケストラ演奏会」で3年ぶりにステージ復帰。文芸誌「新潮」7月号で「敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたら」と明かしていた。今後も作曲や創作活動は継続する。

(おわり)