日刊ゲンダイ 11/11(金) 9:06

 ボンジーア!(こんにちは!)

 サッカーというスポーツは、どちらかといえば庶民のものだ。ブラジルの多くの選手は裸足でボールを蹴りながら大きくなったし、チームの応援と一杯のビールだけが生きがい、なんてサポーターも大勢いる。

 彼らは4年間働いて貯めた金を全てつぎ込んでW杯に行く。だけど、今回はどうも勝手が違う。応援に行くには値段がべらぼうに高過ぎるんだ。

 この連載の1回目に「ホテルが足りない」って話をしたよね。実は、全くないわけじゃない。1泊2万ドル(日本円で約290万円=1ドル147円)のスイートルームなら空いている。

 カタールはW杯のために42ものホテルを建てたけど、その全てが4つ星か5つ星の高級宿。安くても320ドル(約4万7000円)はする。

 彼らが描いていたのは、ラグジュアリーでリッチな大会だ。金ピカのスタジアム、真新しい街、何もかも豪華にしたい。安っぽいホテルを造っても、大会後は負の遺産になるだけ。貧乏人なんて来なくていいんだ。そもそも人口290万人の国に、大勢押しかけられても困るんだ。

 しかし、最近になって彼らにもそれではダメなのが分かってきた。

 W杯はサッカーを愛する者の祭典。サッカーに熱い南米は貧しいし、日本人や米国人だってみんなが金持ちなわけじゃないよね? 

 カタールがやっと手を打ち出したのは、つい先日のこと。

 まずホテル不足対策として、それまで日帰り入国を認めなかったものを一変。近隣のUAEやサウジアラビアから1日に200本のシャトル便を飛ばすことにした。

■10日間ドーハにいたら100万円

 ホテルもなるべく安いものを用意した。砂漠にコンテナのような形のファンビレッジを建て、相部屋のベッド1つが84ドル(約1万2000円)。でも、そんな安宿はほとんどなくて、停泊中の船の1部屋が179ドル(約2万6000円)から800ドル(約12万円)だ。

 高いのはホテルだけじゃない。航空券は期間中は値上がりするし、食事もサンドイッチに飲み物で20ドル(約2900円)はする。スーパーで買って部屋で食べるにも、水が1本7ドル(約1000円)ナリ。タクシーは初乗り15ドル(約2200円)、レンタカーは小型車でも1日1200ドル(約18万円)だ。

 10日間ドーハにいて、そこそこの生活をしたら、7000ドル(約103万円)はかかるともいわれている。チケットは手に入れたけど「結局カタールには行けない」と嘆くサポーターが大勢いる。

※続きはリンク先で
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/6470c55bcf9c8e9f7ff15dd90a213672a49a7a46&preview=auto