将棋の藤井聡太五冠=竜王、王位、叡王、王将、棋聖=が3日、東京・将棋会館で指された第48期棋王戦挑戦者決定トーナメントで先手の佐藤天彦九段に敗れた。佐藤には公式戦4戦目で初めて土を付けられた。

 対局は振り駒の結果、佐藤の先手で矢倉相居飛車へ。長く一進一退の攻防が続いたが、佐藤が名人3期の地力で粘って逆転した。

 棋王戦は4強入りした棋士の「2敗失格システム」があり、負けた藤井は、羽生善治九段―伊藤匠五段(5日対局)の敗者との敗者復活戦1回戦に回る。渡辺明棋王=名人=への挑戦には4戦全勝が必要で、1局も落とせない。藤井が2022年度内に獲得が狙えるタイトルは棋王のみ。六冠目の挑戦へ後がない形となった。

 一方、佐藤は先月28日の順位戦A級4回戦(VS永瀬拓矢王座)で、長時間にわたってマスクを外したため反則負けとなって以降、初の対局だったが、藤井に初勝利。羽生―伊藤の勝者に勝てば挑戦者決定二番勝負に進出し、負ければ敗者復活戦で、藤井VS羽生―伊藤の敗者と戦う。

 なお佐藤は、順位戦の反則負けは日本将棋連盟常務会に対して判定の取り消し、対局のやり直しなどを求めた不服申立書を提出している。

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