10/4(火) 12:06配信

RKB毎日放送
音楽プロデューサー・松尾潔

10月3日に65歳の誕生日を迎えた異才・大澤誉志幸。音楽プロデューサー・松尾潔さんはRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で「ロックでブラック。なのに口ずさみたくなる人懐っこさがある」と評した。さらに、代表曲「そして僕は途方に暮れる」の秘話も。かの名曲はアーティストへの楽曲提供後、“途方に暮れていた”という。

サブカルの街・高円寺で育つ
きょう10月3日は大澤誉志幸さんの65歳の誕生日です。今でこそ日本でもR&Bとか、アメリカのブラックミュージックをルーツとするような音楽が市民権を得ています。大澤誉志幸さんはその黎明期にイメージ作りに大きな貢献をした方です。出身地の東京・杉並区高円寺は多くのバンドマンも育っている、サブカルチャーのにおいがプンプンする街です。


地元の中学校の先輩後輩でブラザー・コーンさんも一緒でした。そういうところからすると割とブラックミュージックにご縁があった感じです。彼は駒澤大学を卒業した直後の1981年4月にクラウディ・スカイというバンドでレコードデビューしましたが、奇しくも、この81年4月にすれ違いで大学に入学してきたのが久保田利伸さん。なんだか日本のR&Bの歴史をコンパクトに語っているような感じです。

80年代前半に神がかり的な名曲を連発
なんといってもハスキーなボーカルが魅力の大澤誉志幸さんですが、作曲についても特筆すべき結果を出してきました。たとえば鈴木雅之さんの「ガラス越しに消えた夏」。大澤さんの作曲家としての代表作じゃないかと思います。他にも80年代の前半から半ばにかけては神がかり的な名曲を次々に出しています。


83年には中森明菜さんの「1/2の神話」。ザ・アイドル歌謡という感じなんですが、当時はアイドルが歌うにしては、ずいぶんとロックフィーリングでハードエッジな印象だなと思いました。「これ、書いてるの大澤誉志幸さんなんだ」と驚いた記憶がありますね。


大澤さんの曲はロックっぽいし、リズムもすごく強い。ブラックミュージックの影響を受けたことが随所に出ているんですが、併せてどこか口ずさみやすい、人懐っこさも含まれているんです。歌詞がつくことですごくわかりやすくなるんですけれども、何が言いたいかというと、メロディーメーカーというよりもソング。ミュージックというよりもソング。つまり歌に向かっている人なんだ、ということです。人が歌ったときに美しく聞こえるメロディーを作り出すことに長けた方なんです。


彼の作曲家としての黄金時代ともいえる84年には、吉川晃司さんの「ラ・ヴィアンローズ」という曲がリリースされています。大澤さんと吉川さんは個人的にも親交があったようで、さらに佐野元春さん、沢田研二さんも加えて、この4人は同じ製作マンが後ろに控えていました。ちょっとしたファミリーを形成していたところがあります。4人が互いに曲を提供し合うということもありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bc46a2808bb3e29440ada1fee0889b942497eb0c?page=1

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