安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、逮捕された山上徹也容疑者の母親が入信していた旧統一教会(世界基督教統一神霊協会、現・宗教法人「世界平和統一家庭連合」)に再び注目が集まっている。母親は1億円にも上る献金を行ない、一家は困窮したとされるが、なぜそれほど多額の献金をする必要があったのか。

「前提として、統一教会は聖書を独自に解釈する宗教なんですが、アダムとエバがサタンに堕落させられるという『失楽園』の話が根幹になっている。基本的にこの世はサタンによって支配されていて、堕落した人間はモノ以下になっていると解釈する。人間はモノをサタンの世界から奪い返し神に捧げることによって、モノを仲介として神の世界に近づくという『万物復帰』の考えがあり、現代では貨幣が全てのモノを代表するということから、信者はお金を納めることで神に近づこうとするということですね。統一教会はこういう形で信者からの献金を正当化している。