辛坊治郎が6月20日(月)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』に出演。日銀の金融緩和継続について辛坊は「絶対に金利は上げられない」と持論を展開した。

番組では、17日に開かれた日本銀行の金融政策決定会合で大規模金融緩和の継続を決定したニュースに触れた。世界的な物価上昇によって、中央銀行による利上げを行う国が増えるなか、辛坊は「日銀は金利を絶対に上げられない」と持論を展開した。

日銀による大規模金融緩和継続の決定について、辛坊は「予想通り。ほかにどうしようもない」と語り、日銀が金利を上げた瞬間に日本政府が抱える莫大な借金の返済の金利負担が増え、財政が回らなくなると指摘。金利が上がると、債券価格が下がるという基本理論を説明し、金利を上げたくない日銀は、債券価格が下がらないよう一定の価格で国債を買い続ける政策を取っていると解説した。

住宅ローン金利が上昇することで、経済を支える柱のひとつ「不動産市場」に悪影響が出るとも指摘。今、都市部の新築マンションなどの不動産価格が20年前と比べて約3倍近く上昇しているものの、住宅ローンを組んで購入する人が減らないのは、住宅ローン金利がマンション価格以上に下がっており、利払いを含めた返済額が20年前と比べて変わらないという点に着目。辛坊は「金利が上がったら、一瞬で誰も買えなくる」と経済の冷え込みに直結することへの危機感もあらわにした。

さらに、金利が低いことを前提に日本の多くの企業が借入をし、社会全体が金利の低いことを前提に回っているため、金利が上がった瞬間に大混乱に陥ると指摘。辛坊は「日銀は何としてでも金利は上げられない。絶対に上げられない」と語り、さらに「(金利を)上げるということを少しでもにおわすだけで、国債価格が下がって、金利が上がる。におわすことも絶対にできない。だから『対応を変えません』としか言いようがない」と語った。

ただ、日銀がこのスタンスを続けられるかについては「懐疑的」とし、どこかのタイミングで金利上昇を容認せざるを得なくなるとみている海外投資家が多いことを紹介。性質上、利上げの“事前予告“はできないため、突然利上げに向かうことがあるとも話し、日銀は勝てないギリギリの闘いをやっているという印象だと結んだ。

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