J1名古屋と神戸が、日本代表DF吉田麻也(33)の獲得に乗り出していることが13日、分かった。14日にチュニジア戦(パナスタ)を控える吉田はこの日、自身の去就について、悩める胸の内を吐露。13年ぶりのJ復帰か、海外での挑戦継続か。11月のカタールW杯を前に、森保ジャパンのキャプテンが大きな決断を迫られることになった。

 サンプドリアとの契約が6月末で満了となり、その去就に注目が集まっている吉田に、名古屋、神戸が接近していることが判明した。下部組織から育った古巣の名古屋と、今季J1最下位に沈むが、元スペイン代表MFイニエスタらを擁する神戸。両クラブが実力、実績ともに申し分のない日本代表キャプテンを補強の目玉としてリストアップしていることが、複数の関係者の話で明らかになった。

 チュニジア戦に向けた取材に応じた吉田は、自身の去就に話が及ぶと、言葉を選びながら思いを語った。

 「やっぱり試合に出なきゃいけないと思います。ただ、レベルの高いところに身を置きたい。W杯に関係なく、サッカー選手として、限られているキャリアを高いレベルでやりたい、というのはシンプルに選手としての願い。そこは一番の願いですけど、需要と供給の問題もある」

 今季サンプドリアではリーグ戦26試合に出場し、先発は19試合。後半戦は負傷をきっかけに定位置を失い、出場機会は激減した。まだ海外での挑戦を続けたい、という思いもにじんだ一方で、「代表でコンスタントに出るようになって、コンディションが上がってきた」とも語った。J復帰を果たせば、安定して出場機会を得る可能性は高く、W杯に向け万全の準備を整えることができる。一方でレベルの高い海外でのプレーを選べば、再び出場機会を失うリスクも高い。

 また、イタリアでは退団確実と報じられているサンプドリアについても、「そこもまだわからない。オーナーが(昨年末に詐欺罪などの疑いで)捕まって、複雑な状況。待ってくれ、と言われている。どうなるのかわからない」と説明。契約を延長し、来季もサンプドリアでプレーする可能性も残されている。

 33歳とベテランの域に達しているが、昨年の東京五輪でも安定したプレーでチームをベスト4に導いた吉田。34歳で迎えるカタールW杯に向け、連戦に耐えうるのかを問われると、「年齢を重ねているのは間違いないと思いますけど、なめてもらっちゃ困るなと思います」とも言い切った。Jリーグ復帰か、海外からのオファーを待つか。日本代表キャプテンが、キャリアの大きな岐路に立たされている。

 ◆吉田 麻也(よしだ・まや)1988年8月24日、長崎市出身。33歳。名古屋U―15、18を経て2007年に名古屋のトップチーム昇格。09―10年シーズン途中からオランダのVVVへ在籍し、12~20年までイングランド・プレミアリーグのサウサンプトン所属。20年夏にイタリア1部サンプドリアに完全移籍した。五輪出場は08年北京、12年ロンドン、21年東京大会。W杯は14年ブラジル、18年ロシア大会に出場。代表通算118試合出場12得点。189センチ、87キロ。右利き

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