「サラリーマン芸人。」 竜兵会 (双葉文庫) 
第4章 上司の転がし方/有吉弘行

 僕って、土田さんが言うには「有吉は顔で助けられている」って。自分の顔に感謝します。
 僕ってよく笑うんですよ。特に芸人さんって、笑う人に弱いんですよね。
 あとは人の話を聞くのが苦じゃないんです。実はそんなに聞いてるわけでもないんですが、
 話してる方からすれば「真剣に聞いてるよな」と思ってくれるらしいんです。

 巨人師匠クラスの芸人になると、それを見抜かれて「おまえ、相づち打ちすぎだ」って怒られましたけど
 上島さんクラスだと「こいつ真剣に聞いてくれてるな」って顔で聞いてますもん。
 それで信用してて、上島さんなんか、自分の秘密までしゃべっちゃって、僕に弱みを握られるパターンです。
 自分で言うのもなんですが、つくづく『聞き上手』『笑い上手』っていうのは得しますね。

 僕は、どこか(誰か)に寄生して、その寄生した先の宿主を全部食べて
 栄養にしちゃうみたいな生き方がいいかなと思います。
 だから上島さんのことは、全部吸い取ってやろうと思ってます。吸い取れるものは全部吸い取って、
 上島さんがやせ細って、そのぶん僕がまるまる太りたいっていうのはあります。