【権藤博の「奔放主義」】

 またか……という思いでいる。さる10日のヤクルト戦で一軍復帰した、中日の根尾昂(22)のことである。

 プロ4年目を迎えた今季、根尾は外野手としてスタートした。決断したのは立浪和義監督で、就任早々、「外野で勝負させる」と明言。実際、開幕前には登録を昨年までの内野手から外野手に変更した。これまで、勝負するポジションが定まらず、あっちへフラフラ、こっちへフラフラとさせられていただけに、これで腰を据えてレギュラー取りに臨める、と楽しみにしていた。

 しかし、4月21日に一軍登録を抹消されると、立浪監督が今度は遊撃への再コンバートを決断したのだ。

 まあ、いい。遊撃はもともと、本人が希望しているポジション。聞けば、指揮官自ら本人に再コンバートの方針と意図を説明したという。そこまでしておいてさすがに、2度の朝令暮改はないだろう。

 そう思っていたら、一軍復帰戦で右翼を守っていたのだ。中日は今、主力野手にコロナ陽性者が相次ぐ緊急事態。それにしても、である。

■たらい回しにされるくらいなら……

 いまだに球団、首脳陣の腰が定まらないなら、いっそ、投手に転向させるのも手だと思う。根尾は大阪桐蔭高校時代、二刀流として活躍。主戦投手として、甲子園の春夏連覇を達成した。投手としても非凡なものを持っている。プロでは本人の希望もあって野手に絞ったが、もともとは投げて打って、自分のリズムをつくってきた。プロ入り後、打撃で試行錯誤が続いているのは、本人の問題以上に起用法に原因があるというのが私の考えだ。今からまた投手をやって通用するほどプロは甘くない、という意見はあるだろう。

 確かに、甘くはない。でも、今後も一軍と二軍、内野と外野をたらい回しにされるくらいなら、二刀流に挑戦させた方が、間違いなく本人の精神衛生上にはいいと断言できる。

全文はソースでご確認ください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5169f03d367e5e85a5659ef0b64fc2266d8c2b1