レギオナルリーガ・ズュートヴェスト(ドイツ4部)の試合で起きた12分間のボール回しが物議を醸している。

7日、レギオナルリーガ第37節が開催され、ズュートヴェストのFSVフランクフルト(15位)vs SVエルフェアスブルク(1位)の試合と、ゾネンホフ・グロースアスパッハ(16位) vs SSVウルム1847(2位)の試合がほぼ同時刻に行われた。

得失点差の関係で、引き分け以上で事実上昇格が決定するエルフェアスブルクは、3分に先制するも26分に同点に追い付かれ、そのまま試合終盤を迎える。

一方、昇格を争うウルムは2点ビハインドの76分に敗戦をほぼ決定づける3失点目を喫してしまう。

この情報を得たエルフェアスブルクは、そこから最終ラインでのボール回しに終始。残留をより確かなものにしたいFSVフランクフルトもこれを良しとし、ハーフウェイラインより前にはほとんどプレッシャーをかけない展開となった。

結局、試合終盤の12分間はエルフェアスブルクがボールを保持する異様な光景が広がり、試合はそのまま1-1の引き分けで終了。最終節を残して、
エルフェアスブルクとウルムの勝ち点差は3に。得失点差で17あるため、昇格を確かなものすると、FSVフランクフルトも残留をほぼ決めた。

記憶に新しいのが、2018年のロシア・ワールドカップでの日本代表のボール回し。当時、ポーランド代表相手に0-1でビハインドだった日本だが、
他会場の結果的にイエローカード数の差で日本が2位となる状況で、攻めずに自陣でのボール回しを続けた。

この12分間について、やはり多くの波紋が。「不可侵条約が結ばれた」、「サッカー界のスキャンダルだ」、「こんなの見たくもない」、「立派な戦法だ」、「何も問題ない」と賛否を呼んでいる。

当事者となったエルフェアスブルクのホルスト・シュテフェン監督は「『大きなリスクは取らない』と言っていたフランクフルトがもし攻めてきたら、
もっと前でプレーすることを余儀なくされただろう。だがそれはなかった。その点では、ボールを跳ね返してタイムアップの笛を待っているように見えた」とコメントしている。

一方、FSVフランクフルトのティム・ゲルナー監督は「引き分け で十分だった。なぜそこで攻める必要がある」と自身の考えを明かしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/25b71d6aec81eff8e6767342853a21b6330d5f4c
【動画】賛否を呼んだボール回しの瞬間
https://youtu.be/Z-XBXXmJqXU?t=286