甲府市のJITリサイクルインクスタジアムで7日に開催された山梨県高校総合体育大会春季大会の陸上競技で、選手に提供された給水用のコップにアルコール消毒液が入っていたことがわかった。飲んだ選手1人が気分が悪くなり、途中棄権し、口に含んだ2人とともに医師の診察を受けたが、いずれも回復に向かっているという。

山梨県高校体育連盟陸上競技専門部によると、消毒液が入ったコップが提供されたのは女子5000メートル競歩の競技中で、トラック脇の給水エリアに置かれていた。口にした選手1人が直後に嘔吐(おうと)し、途中棄権。ほかに2人が口に含んだが吐き出し、競技終了後、病院で診察を受けた。いずれもその日のうちに帰宅し、回復に向かっているという。

同専門部によると、給水エリアで提供した水は、競技場内の備品置き場に保管してあったという。競技前、用務係が2リットル入りのペットボトル3本を給水エリアに運び、プラスチック製のカップに注いで提供した。消毒液が入った1本は、ラベルが付いていなかったが、飲料水のペットボトルと同じ箱に入れて保管されていたという。同専門部は「消毒液と気づかず、誤って提供してしまった可能性が高い」と説明している。

県高体連は7日、アルコール消毒液の管理を徹底するよう各専門部に通知した。

朝日新聞社2022年5月8日 11時45分
https://www.asahi.com/articles/ASQ583T8FQ58UTPB001.html