4/12(火) 21:05配信
東スポWeb

プーチン大統領について語った山下会長(東スポWeb)

 日本オリンピック委員会(JOC)、全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏(64)が、プーチン批判≠フ声明を出した背景には自身の「心変わり」があった。

 12日に取材に応じ、かねて友人や知人から「柔道家としてプーチン大統領と交流があったんだから、何らかのメッセージを出すべき、行動すべきという意見をいただいていた」と明かした。しかし「正直に言うと(当初は)それに否定的だった」という。

 山下氏はその理由を3点挙げた。1つ目は自身の専門性=B「私の専門は柔道、スポーツ、教育であって専門外の国際政治に口を突っ込むべきではないという考えがあった」

 2つ目はプーチン大統領との関係性=B「プーチン大統領とは柔道を通した交流があったが、それ以外の接点はない。ロシアのウクライナ侵攻を止めるという点において私にできることは何もないという思いがあった。メッセージを出しても届けるルートもないということ」

 3つ目は行動の優先性=B「JOC、全柔連、日本のスポーツ界がやるべきことはウクライナから避難した難民の人たちへの支援。現実には国際オリンピック委員会(IOC)委員のセルゲイ・ブブカ氏から難民の状況、支援の要請があったので、こちらに重点を置くべきだろうと。そういう意味において否定的だった」

 しかし、そうした考えも「昨今のジェノサイド、非人間的な行動の数々を報道で見て」変化が生じたという。「たとえ効果はなくても一個人、柔道家としてメッセージを出すべきじゃないかと思った」

 その一方、声明を出すタイミングが後出し≠ノなったことには「自分の中のこだわりとか、かたくなさとか、未熟さもあったと感じている」と反省。「(自分の)性格もあるが、行動を考える上で成果の上がること、効果の出ることを優先しがちで、セルゲイ・ブブカ氏の手紙(要請)のほうに気持ちが行っていた」と述べた。

 今回はJOC会長や全柔連会長ではなく個人の柔道家として声明を出した山下氏。その意図については「全柔連は競技連盟という性質上、本来果たすべき役割以外で声明を出すというのはかなり慎重であるべきだろうと。JOCとしてもまったく同じ」と説明した。

 山下氏は11日に自身の公式ホームページで「柔道家であるプーチン大統領によるロシア軍の侵攻のニュースを聞くにつけ、心を痛めてきました。これらの行為は柔道の精神、目的に完全に反するものです。全く容認することはできません」などと声明を発表していた。

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