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NEWSポストセブン

元おニャン子・生稲晃子 自民から参院選出馬は「菊池桃子の高級官僚の夫」の人脈か

 4月6日、アイドルグループ・おニャン子クラブの元メンバーでタレントの生稲晃子氏(53)が自民党本部で記者会見を行ない、今夏の参院選で東京選挙区(定数6)から立候補することを表明した。いわゆる“タレント候補”として、都市部の浮動票獲得を狙う戦略とみられるが、自民党はどういった経緯で元おニャン子の擁立に至ったのか。そして、果たして勝算はあるのか――。

 生稲氏は会見で、乳がんを患った経験などを踏まえ、「国会議員になって、病気と仕事、子育てを両立してきた自分の経験を政策や法律、予算に反映させられれば」と出馬に至る思いを述べた。これまでに生稲氏は、政府の「働き方改革実現会議」の民間議員も務めた経験がある。出馬表明に至る経緯について、経産省関係者はこうみる。

「経産省出身で現・内閣官房内閣審議官の新原浩朗氏(62)の人脈ではないか。新原氏は2019年に、元アイドル・菊池桃子さん(53)と結婚している。菊池さんが『1億総活躍国民会議』の民間議員を務めたことなどによる縁だったいいます。その菊池さんは、おニャン子クラブと同じく1980年代に絶大な人気のあった元アイドルです。同時期に活躍したおニャン子メンバーとも交遊があるといい、そのあたりのつながりから声がかかったものとみられています」

 今回の参院選に向けては、東京選挙区から選出されていた現職の中川雅治・元環境相(75)が引退の意向を示しており、自民党は後任候補の選定を急いでいた。そうしたなかで、“元アイドル人脈”から候補者が決まったということのようだ。
 生稲氏は会見で「(出産や子育てなど)普通の生活をしてきたからこそ、わかることがあると思う」などとも語り、自身が政治家を志すことに意味があると強調した。自民党関係者からは「知名度からして当選は確実だろう」と楽観視する声も聞こえてくるが、そう甘いものではなさそうだ。ベテラン政治ジャーナリストが言う。

「参院東京選挙区で自民党は、定数が6に増えた2016年に中川氏と朝日健太郎氏(46)、2019年には丸川珠代氏(51)と武見敬三氏(70)が当選している。“6議席のうち2議席”が取れているかたちだが、これは基礎票の棲み分けができた結果と言える。2019年の当選組で言えば、元テレビ朝日アナウンサーの丸川氏が浮動票を狙い、日本医師会会長だった故・武見太郎氏を父に持つ武見敬三氏が医師会をバックにした組織票をベースとして当選を目指すという分担だった。

 2016年の当選組も、元大蔵官僚の中川氏は組織票がベース、元バレーボール日本代表の朝日氏は浮動票がベースという組み合わせでうまくいった。それが、朝日氏と生稲氏の組み合わせとなると、どちらもまずは浮動票狙いになってしまう。

 しかも、今回の東京選挙区では立憲民主の現職の蓮舫氏(54)や公明、共産の現職が手堅いうえに、立憲民主が2人目を立て、昨年の衆院選で躍進した日本維新の会や、小池百合子・東京都知事(69)がバックにいるファーストの会も候補者を立てる見込み。自民党が“2議席安泰”とはいかない混戦模様のなかで、浮動票狙いの2人で両方が当選できるかは不透明だ」

 知名度のあるタレントを並べれば議席を守れるというほど、有権者の審判は甘くはなさそうだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/3ca3b2d62227a12e06cd0b81c6676e7ba150b485