今春の選抜高校野球大会で準優勝した近江高野球部が地元の滋賀県彦根市に大会の報告に訪れた際、市の人気キャラクターひこにゃんと記念撮影したことを巡り、滋賀県高野連が同校に「選手の商業的利用を禁じた日本学生野球憲章に抵触する可能性がある」との見解を示していることが6日分かった。これを受け、市はSNSへの写真の掲載を見送っている。

 報告会は5日に同市役所であり、同校の岩谷斉校長や多賀章仁監督、山田陽翔主将、和田裕行市長らが出席。市側が活躍をたたえ、同校がさらなる飛躍を誓った。終了から約10分後、「サプライズ演出」としてひこにゃんが登場し、出席者と記念撮影をした。

 その後、同校は市からフェイスブックなど公式SNSへの記念写真の掲載可否の確認を求められ、県高野連に連絡。県高野連は日本高野連に問い合わせ、同憲章に抵触する可能性があると回答した。ひこにゃんグッズの販売などへの影響を考慮したという。

 学校側から写真を掲載しないよう伝えられた市は困惑。担当者は「登場はあくまで感動のお礼だった」とする一方で、「今後の近江高の活動に迷惑をかけてはならない」と写真の発信をとどまった。同校は「加盟校なので高野連の意向に従う」としている。

 県高野連の大久保雅生理事長は「近江高が予測できないケースだったが、規定に抵触する恐れがあると伝えた」とし、日本高野連は「自治体のキャラクターとの写真撮影などについて明確なルールがなく、今回はより慎重な対応をお願いした。今後もこうしたケースがあるかもしれないので対応を検討したい」としている。

4/6(水) 19:21配信 京都新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/882d36386d39ca909dccfaf64ffc229d8cf61674
画像 ひこにゃんと初対面し、笑顔を見せる近江高の山田主将ら(左から2人目)=彦根市役所
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