0001ひかり ★
2022/04/06(水) 06:06:15.04ID:CAP_USER9打球が弾んだ左翼席の竜党は揺れ、ベンチは万歳。そして誰より、この瞬間を待ち望んだ石川昂が、渾身(こんしん)のガッツポーズだ。同点の8回先頭、ヤクルトの5番手で、昨季まで2年連続最優秀中継ぎの清水の直球を完璧に捉えたプロ1号が、4連勝に導く決勝弾となった。
プロ3年目。76打席目。「やっとですね。使い続けてくれた立浪監督だったり、いろいろな方に声を掛けていただいて、ホームランを打てたと思う。感謝しかないです」
直前の7回、三塁の守備位置から見上げるしかなかった村上の同点3ランに燃えた。東京五輪金メダリストのツバメの主砲にやられたら、竜の未来の4番候補がやり返す。指揮官が掲げる「勝負ごとはケンカ」の心構えに、バットで満点回答をたたき出した。
3球団競合のドラフト1位で2020年に入団。立浪竜の1年目、三塁のベストナイン&ゴールデングラブ経験者の高橋周を二塁に移し、三塁レギュラーとして走りだした。オープン戦ではチーム1号を放った。それでも、重圧は半端じゃない。アーチは途絶え、スイングも積極性を失っていった。
シーズン開幕2日前の3月23日、小学生時代にドラゴンズジュニアで共にプレーした仲間にこう打ち明けていた。「野球人生で一番、しんどい期間」。春季キャンプ前に「100キロちょい」あった体重は、現在97、98キロ。ハードなトレーニングもあるが「実戦が始まってから、すごかったです」。シーズン143試合が心配になる勢いで減っていった。
迷える現状を打破するきっかけをくれたのが、家族だった。弟の瑛貴(てるき)さん(16)は石川昂も学んだ東邦高の2年生。昨年7月に右肩を脱臼し、現在もスローイングはできない状態だが、練習試合では本塁打と三塁打の活躍。その動画が3日朝、父・尋貴さん(50)から送られてきた。
添えられていたのは「何を悩んでいるんだ」のメッセージ。けがに負けず、フルスイングする弟の姿に「元気出たわ!」と返信。中村紀打撃コーチからも「怖さがない。とにかく振れ」と気合を注入されたばかり。モヤモヤを振り切り、昨季4連敗スタートでヤクルト戦2勝7敗1分と鬼門だった神宮で、白星発進の主役になった。
中日スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a3a237209f757849e1b122511ffec0c6c4be2a3