3/29(火) 16:15配信
NEWSポストセブン

夫婦について語った杉浦太陽さん

 今年、俳優、タレントの杉浦太陽さんは、妻でタレントの辻希美さんと結婚15年目を迎える。現在、1女3男と4人の子を育てる父親でもある杉浦さんに、夫婦の歩んできた道のりと家族の形、そして今後の人生についてインタビューをした。
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 一番上の子はこの春から中学3年生で、下の子は3歳です。いまでこそ、僕も4児の父親としての自覚を持てるようになりましたが、新婚時代は遊び歩きたくて、すごくつらかった思い出があります(笑い)。妻が風邪をひいているのにもかかわらず友達と飲み歩いてしまい、機嫌を損ねた経験も……。いまなら「ダメだろ」って思いますけど。でも、そういう時代は確かにありました。

 結婚3年目には離婚危機もありました。それを乗り越えて、いまは、夫婦だったらケンカはするし、意図が伝わらずに誤解して不穏になることもある。それを繰り返しながら絆を深めていくのが「夫婦」だと実感しています。

 危機といえば、僕が31才のときに妻が倒れてICUに入ったときには、生きた心地がしなかったです。無菌性髄膜炎という病気だったのですが、よりによって自分がMCを務める番組の地方ロケで僕が不在にしているときだったんです。電話口で先生から「覚悟しておいてください」と言われて……頭が真っ白になりました。

 もちろん治ってほしいと祈りました。それでも同時に、子どものこと、今後のことを真剣に考えてしまった。妻が戻って来ると信じながら、先のことも意識しなきゃいけないという極限状態を経験しました。

 最近、『ママがもうこの世界にいなくても』という本を読んで、焦りまくったあのときのことがフラッシュバックしました。偶然にも、著者である遠藤和(のどか)さんの大腸がんの闘病を支えた夫の将一さんは、現在31才。そして、僕も将一さんも妻のことを、愛称で「のん」と呼んでいます。自分が妻の緊急入院時にあれほど精神的に追い込まれたことを考えると、将一さんは一体どれほどの思いを抱えていたのか……。

 和さんと将一さんは、ステージWのがんと闘いながら、子どもをもつことを決意します。夫の立場から見て、子どもの命と引き換えに「妻がいなくなるかもしれない」という状況は想像を絶します。新婚当初の僕がもし同じような状況に置かれていたら、子どもより妻を選んだかもしれません。そもそも妻が好きで、一生一緒にいたいと思って結婚したので。だからこそ、勇気ある選択をしたおふたりをとてもリスペクトします。

僕たち夫婦の“この先”についても考えさせられました。僕だったら、妻に「痛い、つらい、治療やめたい」と言われたら、「もうやめていい、あとは穏やかに過ごそう」って言ってしまいそうな気がします。こればかりは正解がないことだから、難しいですね。

 妻の看取りはしたくないとも強く思いました。考えただけでも、言葉では言い表せないくらいつらい。死ぬのは僕が先がいいです。でも、僕たち夫婦にも、いずれ引き裂かれる日は来る。それまで夫婦で、どのように生きていくのか。1日も無駄にはできないなと強く思って、目頭が熱くなりました。

◆杉浦太陽(すぎうら・たいよう)
1981年生まれ。大阪府出身。1998年、テレビ朝日系ドラマ『おそるべしっっ!!音無可憐さん』でデビュー。 2001年TBS系ドラマ『ウルトラマンコスモス』で主役を務め、一躍注目を浴びる。NHK Eテレ『趣味の園芸 やさいの時間』、BS日テレ『旬感レシピ』、TOKYO FM『TOKYOこどもTIMES』などにレギュラー出演中。

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