3/28(月) 20:38配信
日刊スポーツ

公開スパーリングを終え囲み取材に応じる村田(撮影・垰建太)

ボクシングWBA世界同級スーパー王者村田諒太(36=帝拳)が同級最強の「頂」に対し、序盤から勝負を懸ける覚悟を示した。4月9日、さいたまスーパーアリーナで元3団体統一同級王者で現IBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)との2団体王座統一戦を控える。史上最大規模となるビッグマッチに向け、28日に都内の所属ジムで練習を公開。1回から接近戦を仕掛ける姿勢を口にした。

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ミドル級最強との対決へ、村田は覚悟ができている。昨年11月から練習パートナーとして招聘(しょうへい)している元メキシコ同級王者アドリアン・ルナ(31)との2回のスパーリングを公開。「1回から勝負だと思っている」と連日の実戦トレの疲労もみせず、プレッシャーをかけて至近距離からキレある右強打、左ボディーなどをテンポ良く打ち込んだ。

この日のスパーリング内容について「まあまあじゃないかな」と振り返った。「相手がプレッシャーを感じてくれたら展開としてはやりにくくない。プレッシャーを感じさせられず、好き放題されたらきつい。1回の流れが1番大事だと思っています」とポイントを挙げた。実戦トレ後、異例の長さとなる8回のサンドバッグ打ちにも取り組み、自らのパンチの感触を確認した。

公開練習には、ゴロフキン対策がちりばめられているようだ。「(対策を)見せる気も隠す気もない」とけむに巻いた。ただ「プレッシャーはかけていきます。思ったよりプレッシャーをかけることができたらチャンスはあるし、いなされ、ジャブも入らなかったらきつくなる。(試合の)入りが大事なポイントになる」と序盤からの接近戦を示唆した。

19年12月、当時のWBO世界同級1位スティーブン・バトラー(カナダ)との初防衛戦以来、約2年4カ月ぶりの試合となる。当初、昨年12月29日にゴロフキン戦が組まれるまで2年が経過。新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の水際対策の影響で、さらに4カ月延期となった。村田は「試合ができないというのが1番の恐怖。それを考えたら戦う恐怖心も和らいだままゴングを迎えられそう」とプラス思考を貫いた。

元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン(米国)以来の大物が来日し、日本の至宝・村田が迎え撃つ王座統一戦となる。興行規模は20億円以上という日本ボクシング界史上最大というビッグマッチ。2週間後に迫った大一番へ、村田は接近戦に磨きをかける。【藤中栄二】

〇…この日の村田の公開練習は新型コロナウイルス対策が徹底された。「まん延防止措置」は全面解除されたが、約30人の報道陣はジム横のバルコニーに限定。原則的にジム内への入場は禁じられた。村田への取材もバルコニーから質疑応答するスタイルに。日本ボクシング界史上最大規模となるビッグマッチ成立のため、異例の態勢となった。

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