第94回アカデミー賞授賞式が28日(現地時間27日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の
ジェーン・カンピオンが監督賞に輝いた。日本人として『乱』(1985)の黒澤明以来36年ぶりに同部門にノミネートされていた
『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介は惜しくも受賞を逃し、日本人初受賞とはならなかった。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、トーマス・サヴェージの同名小説を基に、“男らしさ”にとらわれたカウボーイ(ベネディクト・カンバーバッチ)の
秘密が次第に明らかになっていくさまを描いたNetflix映画。

カンピオンは『ピアノ・レッスン』(1993)でもアカデミー賞監督賞にノミネートされており、女性監督が同部門に2度ノミネートされたのは
史上初のこと。第74回全米監督組合賞、第75回英国アカデミー賞などオスカー前哨戦もことごとく制するなど同部門の大本命とみられており、
下馬評通りの受賞となった。女性監督のオスカー監督賞受賞は、『ハート・ロッカー』(2008)のキャスリン・ビグロー、『ノマドランド』の
クロエ・ジャオに続き史上3人目となる。

『ドライブ・マイ・カー』は監督賞は逃したものの、本命視されていた国際長編映画賞は見事に受賞。日本映画として滝田洋二郎監督の
『おくりびと』(2008)以来13年ぶりの受賞という快挙を達成している。(編集部・市川遥)

第94回アカデミー賞授賞式は、3月28日(月)午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信中(午後10時より字幕版放送・配信)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e2e947c5660ca1f25630f075fe04a95fddc6981e