講談は、明治時代にはメディアを支配する国民的娯楽として
全盛を誇り、その派生だった浪曲は当時の最先端メディアだった
ラジオとレコードの波に乗って、昭和初期には日本最大の
娯楽産業になった
(ラジオ人気調査では全体の57%を占めるダントツ人気だったとか)
戦後も民放ラジオの発展と共に最盛期を迎え、聴取率ランキング
ベスト10の半分は浪曲番組だった

しかしこの「娯楽の王様」はテレビの普及と共にあっけなく消え、
NHKがしつこくサポートしていたが1972年に番組終了、関西の寄席
朝日座は1984年、中座は1999年に閉鎖された

いま講談と共に復活しつつあるけど、それは「国民的娯楽」
だったかつてのスタイルを一旦捨て去って、生まれ変わった
形を掴んだからだろう

浪曲講談に取って代わった映画もバブル期にドン底まで落ち、
アメリカのシネコンを輸入して息を吹き替えした

野球だけが不滅なんて考えるのはムリだし、ましてや闇市時代の
旧態依然としたスタイルのままで生き延びられるなんて考えは
甘すぎる夢だとしか思えないよね