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儚さを感じさせる、つぶやくような歌声。カーリーヘアにサングラス姿という中性的なスタイルで、男性か女性かさえも明確にせず、“謎の歌手”と評された森田童子さん(享年66)。1975年にデビューするも、シングル発売は4枚のみ、たった8年で引退してしまった。当時の映像や写真はほとんど残っていない。

2018年4月に亡くなり、2か月後には全国的に報じられています。『高校教師』で森田童子を知った人たちは、まさに謎の歌手として認識しているでしょう」(音楽関係者)
そんな森田さんの生誕70周年となった今年1月、単行本『夜想忌 森田童子大全』(Pヴァイン)が4月1日に発売することが発表された。森田さんの関係者インタビューや寄稿をもとに“真実”が明かされる評伝本だ。
中略

今回の『森田童子大全』よりも先に、謎に包まれた森田さんの正体を明かしたのは、昨年12月、作詞家のなかにし礼さん(享年82)の没後1年に出版された遺作『血の歌』(毎日新聞出版)だった。「その本のなかで、森田さんがなかにしさんの兄の娘、つまり姪であることが明かされていたんです。そこには血縁関係であることを隠すに至った経緯なども書かれています」(別の芸能関係者)

その直後に出版されると発表されたのが『森田童子大全』だっただけに、謎に包まれた森田さんの素顔が明かされるのではないかと、ファンの期待は膨らんだ。しかし、2月末に事態は一転する。

「予約注文していましたが、突然“無期限発売延期”のメールが届きました。延期の理由はまったくわかりませんが、タイトルも内容も変わるとのこと。大々的に宣伝していたレコードショップでもいまは予約できません。お蔵入りになってしまうのでしょうか」(60代女性ファン)

森田さんの遺族を訪ねると、開口一番から怒気をはらんだ声で怒りをぶつけ始めた。

「森田童子が死んでいるからといって、何をしてもいいというわけではない。私たちは許しませんよ!」

『森田童子大全』の宣伝文には《本書は森田童子さんのご遺族から許諾を得て制作した“決定版”である》とわざわざ記載されている。だが、激しい剣幕を見るに事実は違うようだ。遺族が経緯をこう説明する。

「今年の1月、遺族の1人がふとネットを見ていたら、この本の告知を見つけたんです。何も聞かされていないので本当に驚きましたよ。慌てて監修として名前があったA氏に連絡をしました。というのも2021年11月に、A氏が私たちのところに、“企画書”と称したメモ書きを寄越してきたんです。しかし、肝心な内容がまったく書かれていない。なので、詳細な内容が知りたいと伝えましたが、その後、A氏からも出版元からも一切連絡がありませんでした。遺族の許諾を得たなんて嘘です。連絡もないから許諾のしようがない状況なんです。そんななかで、本の告知がされました」

森田さんの持つ楽曲や肖像権などの権利は、森田さんの遺族が管理をしている。遺族が怒るのは至極真っ当なことだろう。

「“森田童子”の名前で、4000円ほどもする高価な商品を売るのであれば、私たちを通すべきでしょう。それを無視された。私たちは発売を中止すべきだと主張しましたが、出版元から『販売網の都合もあるので一度延期ということにして、そのうえで考えてほしい』と言われました。顔を立てる意味で受け入れましたが、ホームページでは発売中止と告知してほしいと話したのに、いまだに発売延期となっています。

この企画はやめるべきです。森田童子の名前が使われる限り、私たちは許しません」(前出・森田さんの遺族)

遺族がここまで激怒するのにもわけがある。

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