3/23(水) 17:06配信 Number Web
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大垣日大を率いる阪口慶三監督。名将は“やりづらい”初戦をどう戦ったのか photograph by Hideki Sugiyama
「甲子園で勝てるチーム」

 東海地区のセンバツ一般選考枠の2校目を、昨秋の東海大会準優勝の聖隷クリストファーではなく、ベスト4の大垣日大とした理由を、大会選考委員会はそう説明した。

 それは大衆に強烈な疑問と不信感を与えた。

 聖隷クリストファーは決勝戦で日大三島と3-6と競り合ったのに? 両校とも静岡県のチームだから弾かれたのか? 多くの謎は明かされなかったが、答えは出た。

 大垣日大がセンバツで勝利したことだ。

■“逆風”の初戦、名将が立てた戦術

 大会4日の第3試合。前日からの降雨により第1試合が3時間半も遅延した関係で、センバツでは「最も遅い」とされる18時26分開始のナイターとなった。しかも相手は、日本有数の豪雪地帯から13人のチームで甲子園初切符を掴んだ福島県の只見。観客の大半が彼らの奮闘に期待する“逆風”に見舞われたなかでの一戦となった。

 相手は21世紀枠のチーム。大半が勝利は大前提と見立て、大差で勝ったら「当然」、僅差ならば「だらしない」と批判されかねない。甲子園が1プレーごとに只見に寛大な拍手を贈るなか、大垣日大は実に引き締まったゲームを展開した。

 大会開幕時点で甲子園通算38勝の名将・阪口慶三(77歳)は試合前、只見と対戦するにあたり、明確な戦術を立てていた。

「まずは機動力を使って『バッテリーをじらさせよう』と。常に『走るぞ』という姿勢を出して集中力をランナーに向かせようということを選手に伝えました。先制点を奪い、相手に攻撃させる集中力をいかに奪うかということも考えていました」

 指揮官の目論見通り、2回1死から四球で出たランナーが盗塁。2死二塁から監督の孫である高橋慎のライト前への先制打など、この回2点を挙げた。3-1で迎えた7回には、1点を追加した直後に一塁ランナーが牽制球で刺される場面もあったが、試合を通じて2盗塁、4犠打と手堅く、次の塁を狙う姿勢を徹底。相手の攻撃意欲を削ぐ点についても、先発の左腕・五島幹士が2安打1失点、18奪三振と快投を演じ、監督の期待に応えた。スコアは6-1。主導権を握ったまま快勝した。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)