3/17(木) 6:01配信
スポーツ報知

生放送の前に自ら撮影したとみられる動画でロシアのウクライナ侵攻を批判したマリーナ・オフシャンニコワさん(ロイター)

 ロシア政府系テレビ「第1チャンネル」のニュース番組で、女性社員のマリーナ・オフシャンニコワさんがキャスターの背後で「NO WAR」などと書かれた紙を掲げたことを受け、モスクワの裁判所は15日、軽微な違法行為を行政処分にする法律に基づいて、オフシャンニコワさんに3万ルーブル(約3万2000円)の罰金を科した。

 オフシャンニコワさんは釈放後、裁判所の前で記者団に対し、約14時間の取り調べを受けたと明らかにした。「(抗議は)1人で決めた。ロシアが侵略を始めたことは嫌だった。本当にひどい事態」と疲れ切った様子で話した。弁護士をつけるなど法的支援を受けることもできなかった。

 罰金は放送中の「反戦行為」ではなく、事前収録したとみられる動画で、無許可集会への参加を呼び掛けたことを理由としている。動画では「ロシアは侵略国であり、その責任はプーチンにある」とし、反戦デモへの参加を呼び掛けていた。

 これで「無罪放免」になるかは不透明だ。オフシャンニコワさんは自身が刑事訴追されないことを願っていると述べた。ロシアメディアによると、捜査当局は放送中の「反戦行為」についても捜査を始めた。ロシアでは今月上旬、法律を改正し、ウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」と命名。「侵略」や「侵攻」と呼ぶことを禁止した。軍に対する虚偽情報を流布した場合、有罪となれば最長で15年の禁錮刑となる可能性もある。

 オフシャンニコワさんは14日夜、ニュース番組「ブレーミャ」の放送中、テレビカメラに向かい「戦争反対」と叫び「プロパガンダを信じるな。彼らはうそをついている」などと英語やロシア語で書かれた紙を広げた。テレビ局は約5秒後に別の映像に切り替えた。

 一躍、有名人になった女性に海外から救いの手も伸びている。プーチン大統領と電話会談を続けているフランスのマクロン大統領はオフシャンニコワさんが亡命を希望した場合、受け入れる意向を示した。プーチン大統領と次回の電話会談で直接伝えるとしている。

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