スキー・ジャンプ混合団体で、日本の高梨沙羅(25)=クラレ=ら女子選手5人がスーツの規定違反で失格となった問題で「極端に厳しい」検査を率いたと指摘されているフィンランド人の主任検査者ミカ・ユカラ氏(58)が14日までに共同通信の書面インタビューに応じ「現在のルールにのっとって行われた」と検査の正しさを強調した上で、女子の検査への直接的な関与を否定した。

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 混合団体の後、ユカラ氏が日本メディアのインタビューに応じるのは初めてとみられる。同氏は「混合団体当日は男子の検査だけに従事していて、他のことはしていない」と高梨らの検査には関与しなかったと主張。「女子の検査場で何が起きたのかは答える立場にない。言えるのは検査がルールに沿っていたことだ」とした。

 高梨を含む複数の選手が2日前の個人戦でも同じスーツを着用し、検査をパスしていた。ドイツメディアなどによると、ユカラ氏は混合団体の検査に同席し、失格になった複数の選手の検査時には背後に座って様子を見ているようだったという。失格者が出たドイツなどから、混合団体の検査に居合わせたユカラ氏が極端に厳しい検査を主導したとの批判が出ている。

 また、高梨ら複数の選手や監督が、検査時に通常と異なる体勢を取らされるなど「検査方法が通常と違った」と指摘しているが、同氏は「男子ではすべてシーズン中と同じ計測方法で行った。厳しさも変わっていない」と強調。男女ともに各国のチーム代表者が出席する事前会合をそれぞれ開き「今シーズンの検査方法を(五輪でも)継続する」と伝達していたと明らかにした。

 複数の女子トップ選手が一度に失格となる事態を招いた理由については「女子の責任者ではないので、しっかりした形で答えられない」と回答を避けた。

 実際に検査を受けた選手や監督らの主張と大きく異なる立場を示したユカラ氏。トップ選手らが同時に失格となった謎も未解明のままだ。全日本スキー連盟(SAJ)は国際スキー連盟(FIS)に検査方法について意見書を提出する方針で、スキー界が世界中に広がった疑問を解消できるかが焦点となる。

スポーツ報知 2/15(火) 7:00
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