北京五輪のフィギュアスケート女子でドーピング問題の渦中にあったロシアオリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)が14日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の決定によって個人種目(15日)への出場が認められた。

 とはいえ多くの疑問が残る。一度は陽性が出たにも関わらず、なぜ出場可能なのか? この決定について、日本アンチドーピング規律パネル委員長でCAS仲裁人を務める早川吉尚氏は「出場は認めるけどシロ≠セとは言っていません。今後、手続きが進む中でシロ・クロがハッキリした時点で、団体戦の金メダル剥奪もあり得ますし、個人戦で金メダルを取っても後で失効する可能性もある」と解説した。

 今回、出場が認められた背景には3つの事情がある。「未成年ということ、五輪期間中に陽性が出なかったこと、そしてロシアからの通知が遅れたこと」(早川氏)。これによって15日の女子ショートプログラム(SP)には出場可能となったが、今後も協議は続くという。

「今回なぜ陽性が出たのか? どうやって彼女の体内に禁止薬物が入ったのか?を調査をする義務がロシアにはある。そこでいい加減な判断をすると、再びCASに提訴される可能性があります」

 つまり、今回の出場決定はシロ判定≠ナはなく、一件落着には至っていない。

ワリエワを巡っては昨年12月25日に採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出。この事実はフィギュア団体戦でROCが金メダルを獲得した翌日(8日)に明らかになったが、ロシア反ドーピング機関はワリエワに暫定資格停止処分を下し、本人の申し立てを受けて処分を解除。国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)は決定を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴していた。

東スポ 2022年2月14日 16時36分 
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/21675372/

写真 https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/4/d/4d24a_1399_3c6c1dd5_ac5302a6.jpg