北京オリンピックは11日、スノーボード男子ハーフパイプ決勝が行われ、平野歩夢選手が日本スノーボード界に初の金メダルをもたらす快挙を遂げた。ところが、逆転Vのかかった大一番を、まさかの「サブチャンネル」への切り替えのために見逃してしまった人たちが少なからずいたようだ。競技後、SNSには不満の声が噴出。番組を放送したNHKに聞いてみた。(デジタル編集部 古和康行)

 NHK広報部によると、スノーボードの中継が「中断」されたのは、平野が最終3回目の滑走を始める直前の11時53分。11時54分から、メインチャンネルで気象情報を流すため、サブチャンネルでの放送を周知する1分間の案内番組を放送したという。

 メインチャンネルで放送を見ていた視聴者の中には、いきなりチャンネルが変わり、リモコン操作に手間取っているうちに、平野選手の滑走を見逃した人がいたようだ。ツイッターでは、「最悪のタイミングでサブチャンネル」「こんなことやめて」などの不満の声が噴出。トレンドに「サブチャンネル」が入るほどの騒ぎとなった。 

 サブチャンネルは本来1つのチャンネルを2つに分ける放送技術。画質は下がるものの、スポーツ中継を止めずに定時の番組を放送できるといった使い方ができる。NHKによると、東京オリンピックやプロ野球の番組でも活用していて、今回も「放送のプログラムに組み込まれていた気象情報の放送時間と競技が重なってしまうため、サブチャンネルを活用した」という。
 一方、NHKとしてもサブチャンネルの切り替え方法の周知に苦労しているようだ。担当者は「サブチャンネルを使用した番組を放送すると、視聴者から『切り替え方が分からない』などの問い合わせが増える」と明かす。そのため、NHKでは、直前にリモコンの切り替え方法を案内したりしている。北京オリンピックでも、視聴者からの問い合わせが増えることを想定していて、期間中はNHKのホームページのトップの目立つ位置に「サブチャンネル切り替え方法のご案内」を配置し続けるという。

 平野選手の一件は、切り替え方を知らない視聴者のために1分間の案内を流したものだが、これがかえって視聴者の不満を招くことになってしまったようだ。

読売新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/1449c0fe5e6fdf6091f7be6bfe6e69daded33d48