伝統の「オールドファーム・ダービー」で、旗手怜央が大仕事をやってのけた。

 現地時間2月2日に開催された延期分のスコットランド・リーグ第22節で、日本人4人が所属する2位のセルティックは、2ポイント差で首位のレンジャーズとホームで対戦し、3−0で快勝した。

 殊勲者となったサムライは、開始5分にCKのこぼれ球に反応し、ペナルティエリアの外から右足を振り抜いて先制点を叩き出すと、42分には豪快に右足を一閃。本人も「すごく落ち着いて蹴れた」と自画自賛するゴラッソだった。

 44分には、左サイドを突破してから正確なクロスを上げ、リエル・アバダの3点目をアシスト。チームの全得点に絡む、文字通り圧巻の活躍を見せた。

 試合後、旗手は、地元紙『Herald Scotland』の寸評採点でチームトップタイの「9」をつけられ、「傑出した存在。1点目はそうでもなかったが、2点目は一級品だった」と絶賛された。そんな24歳を、セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルーはこう評した。

「素晴らしかった。とくに前半は並外れていたね。ただ、ハタテはもっとよくなれる。これは彼にとって移籍してから4試合目だ。我々は、まだまだ彼は本来のフィットネスレベルには程遠いと考えている。少しずつ彼を成長させていくつもりだ」

 このコメントにも表れているように、ポステコグルーの飴と鞭の使い分けは見事だ。こうした56歳のオーストラリア人指揮官の卓越した手腕があるからこそ、セルティックは昨シーズンに国内で独走を許した“宿敵”との優勝争いができていると言える。

 それはレジェンドたちも認めるところだ。かつて中村俊輔(現横浜FC)とともにセルティックの黄金期を築いた元ブルガリア代表MFスティリアン・ペトロフは、英衛星放送『Sky Sports』の番組内で「私は、彼が就任した時には多くの疑問があった。だが、チームは明確なアイデアと手腕を持った指揮官を手に入れたんだ」と語った。

「彼は、就任してからすぐに『これが私のやり方だ。だから、私に欲しいスターを連れてこさせろ』と明確にした。そして自分の戦術やシステムにフィットする選手たちを集めたんだ。そこからも見事だったね。日本から選手たちを集めた時には、懐疑的な意見があったが、アンジェは彼らがどう動くかを知っているし、ハタテたちも監督の要求を知っている。これは素晴らしい利点だ」

 日本で確かな実績を残した手腕を発揮し続けるポステコグルー。その采配は、彼の下で輝く4人の元Jリーガーたちの活躍とともに注目したい。

ザ・ダイジェスト 2/3(木) 18:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/fed3d2ff5c2dfae803e8a50b593e645c056dd9db

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