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2022年02月03日
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 2月4日に開会式が行われる北京2022オリンピック。全く盛り上がっていないと感じている方も少なくないだろう。最大の原因は、いつもの五輪に比べテレビが報じていないからだと言われる。業界の事情をテンレビマンに聞いてみた。

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 1月30日、有吉弘行がパーソナリティを務めるラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN)で、アシスタントのデンジャラス・安田和博と開幕目前の北京五輪について話すと、ネット上には賛同する声が溢れた。

有吉:どうすんの? もうオリンピックですって、あと5日で北京オリンピック。なんのデータもないよ。

安田:誰が出るかとか、そういうのもあんまり……。

有吉:今日ぐらい、(テレビで)なんかちょっと選手団がどうとか……みたいな。ま、東京オリンピックも寸前までね、「盛り上がんのか?」って感じだったけど。冬季オリンピック、マジで誰が出るんですか? フィギュアスケートの羽生(結弦)くんは出るでしょ? あと誰がいる? 高梨沙羅ちゃん。あと小林陵侑。小林陵侑はワールドカップで連戦連勝みたいな、世界の一流選手ですから。

安田:結構、知ってますね。

有吉:でもそれってさ、前回のオリンピックと顔ぶれ変わってない人たち。今回、初めて出るような人たちの情報は、なんにも知らないんじゃないかな。何の競技があるかも。カーリングはあるよね、マリリン(本橋麻里)は?

安田:マリリンは監督とかやってらっしゃるんじゃないかと?

有吉:宇津木妙子さんは?

安田:宇都木さんはソフトボールです。冬季ですからね。

有吉:橋本聖子は出ないの? 元祖二刀流、自転車とスピードスケートだからね。誰が出るのかわからないよ。旗手は誰が務めるの?

■東京五輪のトラウマ

 確かに今回は極端に情報がないのだ。民放ディレクターに聞いた。

「昨年夏に開催された東京五輪も、新型コロナの感染が拡大中だったことや、開催が1年延期したこともあって、各局の対応が遅れました。北京五輪はそれ以上に情報が少ないと思います」

 昨年の夏はコロナ報道一色で、五輪開催に反対する報道まであった。にもかかわらず、開催直前になって“応援モード”にシフトしたことが批判された。

「自国開催ということもあって、国民の関心は高かった。とはいえ、テレビでは『コロナなのに大丈夫か?』『再延期か?』などとネガティブな情報を取り上げておきながら、直前になって東京五輪特集に切り替えた。そのため掌返しと批判されたわけです。今回の北京には、そのトラウマがある。さらに、オミクロン株により過去最多の感染者が出るなど、コロナネタを最優先せざるを得ません。どうしてもオリンピックネタはやりにくい状況なんです」

 冬季五輪の場合、通常ならいつ頃から応援モードに入るのだろう。

「開幕の2週間前くらいには番組スタッフも現地入りし、1週間前にはオリンピックコーナーを立ち上げるものです。しかし今回は、そんな感じじゃないですね」

 北京五輪は4日に開会式が行われる。こんな調子で盛り上がるのか。

■メダリストさえ誕生すれば

「東京五輪の時も始まるまでは半信半疑でした。ところがフタを開ければ、7月23日の『開会式』(NHK総合)は世帯視聴率が56・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)、個人視聴率も40・0%と驚異的な数字を取ったことで、テレビ業界は胸をなで下ろしました。その経験を踏まえ、大会前に北京五輪推しをするのはやめておこうということです。東京五輪よりもさらに、個々の選手にスポットを当てるのは控えめにして、必要以上に煽らないことを意識しているのです」

 日本人が活躍すれば、数字は上がる?

「メダリストが誕生すれば大丈夫ですよ。情報番組も競技映像を使用してたっぷり紹介するでしょう。コロナ禍とはいえ開幕さえすれば、翌日の競技も堂々と特集できます。視聴者も見たい、知りたい気分になるはずです。視聴率も期待できます」

 前述のラジオで有吉はこうも語っていた。

有吉:今、みんな冷めた感じで、クールに決めてるじゃん。でも(五輪が)始まったら大興奮して泣いちゃうんだよ。