第94回選抜高校野球(3月18日から甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が28日に開かれ、21世紀枠3を含む32の出場校が決定した。“不可解選考”として賛否の声が集まりネットが炎上したのが東海地区の選考。東海大会優勝の日大三島(静岡)とベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれ、同大会準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が落選したのだ。過去にも”不可解選考”が起きて賛否が議論されてきたセンバツの選考で。またしても”悲劇”が生まれることになった。選考の透明性と基準の明確化が求められる。

投手力と総合力で判断

 センバツの選考で“まさか”が起きた。
 2枠が割り当てられた東海地区では、東海大会優勝の日大三島に続く2校目に準優勝した聖隷クリストファーではなくベスト4だった大垣日大が選ばれたのだ。

 スポーツニッポンの記事などによると、選考の責任者である東海地区の鬼嶋一司委員長(元慶応大)は、「聖隷クリストファーは頭とハートを使う高校生らしい野球で、2回戦、準決勝で9回に見事な逆転劇を見せた。立派な戦いぶり。

個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで選考委員の賛否が分かれましたが、投打に勝る大垣日大を推薦校とする。特に投手力で差があった。 

春の選抜大会では失点の多いチームは厳しい。大垣日大は総合力の高いチーム。静岡同士ということは全く考慮していなかった。甲子園で勝てる可能性の高いチームを選んだ」と、選考理由を説明したという。

 両チーム共に東海大会では日大三島に敗れているが、決勝で戦った聖隷クリストファーは先取点を奪ったものの3−6の逆転負けを喫した。県大会を一人で投げ抜いたエースの弓達寛之を怪我で欠きながらも奮闘した。また準々決勝では大垣日大が岐阜県大会の決勝で0−2の完封負けを喫した中京を4−3で下している。

 一方の大垣日大は、東海大会の初戦で静岡高のプロ注目の最速147キロ右腕の吉田優飛から7得点を奪って攻略し、準々決勝でも享栄に3−2で競り勝った。制球力にすぐれるエースの五島幹士がいずれもゲームを作った。だが、準決勝では日大三島に敗れ、こちらは6回まで2−10であわやコールド負けの危機に瀕しての5−10のスコアだった。

 東海大会の準優勝校、優勝校が順当に選出されなかったのは、1978年の第50大会以来44年ぶりの“珍事”となった。
 各社の報道によると創部初のセンバツ出場を逃した聖隷クリストファーの上村監督は、「選ばれるものと思っていましたが」と失望を隠さず、

当選した大垣日大の阪口監督は、「100%頭になかった。長い監督生活の中でも夢のようだ」とサプライズ選考に驚いたという。両監督ともに甲子園出場経験が豊富なベテラン。2人の指揮官の反応がいかに不可解な選考だったかを如実にあらわしていた。

全文 1/29(土) 6:38
https://news.yahoo.co.jp/articles/c227e5a218aabf76af8bbfad0d96d04fc8ee329b