1/28(金) 5:15配信
東スポWeb

将来的なメジャー挑戦の思いを球団に伝えた山本由伸(代表撮影)

 オリックスの無双℃R本由伸投手(23)が27日に大阪市内の球団事務所で契約交渉に臨み、2億2000万円アップの年俸3億7000万円で更改。長引いた交渉の中で、山本は将来的なメジャー挑戦の思いを球団に伝えたことを明かした。しかし、海外FA権を待たないとなれば、ポスティングシステムでしか移籍の道はなく、すでに宮内オーナーが「NO」の姿勢を見せている。国内最強右腕も、こればかりは険しい道のりになるかもしれない。

 投手4冠、沢村賞、MVPなどタイトルを総ナメにした無双♂E腕が、12球団契約更改の大トリ≠ニなった。プロ6年目での3億円突破に「評価していただき、納得、満足している。昨年はチームが優勝できたのが一番。夏に五輪で優勝し、最後は日本シリーズで悔しさを味わえた。成長できた1年だった」と振り返り、今季に向けては「連覇し、その先の日本一になれるよう戦力として頑張りたい。個人的には去年の自分を上回れるようにしたい。タイトル? 全部取りたいです」と意気込んだ。

 オフは表彰式やイベント出演に大忙しだったが、その間、球団との交渉を代理人に任せてきた。越年し、キャンプ直前まで長引いた理由には「メジャー挑戦問題」が大きく影響していた。「将来の話をしっかり時間をかけ、お互い納得するところまで話すことができた。すごく球団に感謝しています」。かねて描いてきた夢を球団に伝えたことは大きな一歩だろう。さらに「何かが決まったわけではないので…。しっかり理解してくださったと思っている。真剣に時間をかけて話したのは(今オフが)初めてです」と今後も時間をかけ、話し合いを継続することになりそうだ。

 しかし、一方で「メジャー挑戦の道」は簡単ではない。海外FA権を待たずに移籍するにはポスティングシステムしかなく、球団を説得する必要がある。MLBは国際FA選手を外国リーグ在籍6年以上、25歳以上としており、現在23歳の山本がメジャー契約するには来年のオフがベスト。山本サイドとしては何としても2年後の「確約」を取り付けたいところだった。

 しかし、球団が認めないことにはどうにもならず、しかも先日に総帥の宮内オーナーが山本、吉田正の2人について「ずっとチームにいるという前提でおります」とクギを刺したばかり。この宮内発言≠ェ山本サイドには大きな逆風となった。

 フロント関係者はこう話す。「オーナーの言う通り、確約なんかできるはずがない。行きたい気持ちはわかるし、ウチは2000年にイチローの移籍を認めた実績もある。でもイチローはチームを連覇させただけでなく、7年連続の首位打者を取って、世間からの後押しもあった。何年もかけて球団を説得し、実現させた。山本もメジャーで通用すると思うが、日本で7年連続は無理でも去年のような成績を3年、4年と続け、世論を味方につけないとダメですよ」

 もちろんチーム事情も重要で「山本が抜けたチームがどうなるか、ということ。山本クラスの投手が何人か育ってこないといけない」と続け「いろんな意味で機が熟していない」と言い切った。

 もはや国内制圧≠オた山本だが、今季も昨年同様の数字を残し、さらに来年に予定されるWBCで再び世界にアピール…。それこそオリックス時代のイチロー並みの活躍で、世間を味方につけるしかない。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/9ad8426468341f0a753cb692f1de5533cae03de3