2022年01月25日 11時30分
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「第54回ミス日本コンテスト2022」が24日、東京・京王プラザホテル新宿で行われ、国際基督教大学教養学部3年生の河野瑞夏(こうの・みずか)さん(21)がグランプリに輝いた。これまでに女優の山本富士子、藤原紀香らを輩出してきた歴史ある同コンテスト。しかし最近では、ジェンダーの観点から批判の対象となり、その存在意義が問われている。ミス日本も時代に沿った変化を模索しているという。

グランプリに輝いた河野さんは「本当に信じられないという気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです」とやや緊張した面持ちで話した。

 ジャーナリスト志望の河野さんは今後について「メンタルヘルス、精神の健康について考えるメディアをつくりたいと思っています」と抱負を語った。その決意には自身のつらい経験が影響している。「やせていなければ嫌われてしまう。グループから排除されるんじゃないか」と自らを追い込み、大学1年生の時に摂食障害を患った。身長171センチに対して体重は40キロを切った。「私のやせすぎている体を見て見ないふりをされる。自分もすごく寂しいけれど、やせるということは捨てられない。そのせめぎ合い、孤独の中の葛藤がつらかったです」と振り返った。その上で「そういう弱い自分も自分なんだと受け入れたことで前に進めるようになりました」と摂食障害を克服し、今回のグランプリの栄誉に至る経緯を明かした。

「当時の自分に掛けたい言葉は」と問われると「あなたの幸せは自分の中にあるよって。外に何か求めなくても、自分の中にあるよって言ってあげたいです」と笑顔を見せた。

 河野さんの受賞について大会委員長の和田あい氏は「彼女はすごくつらい経験もされていますが、今では笑って話せるぐらい自分の中で昇華している。世の中に同じようにつらい思いをしてる方々の希望になってほしいなって思います」と期待を寄せた。

 大会を無事に終えたが、最近では美を競うミスコンの存在意義が問われている。ジェンダー、ルッキズムの観点からミスコンなどが時代遅れの象徴として批判を浴びているのだ。その影響もあり、アグネス・ラム、松嶋菜々子らが務めた旭化成グループキャンペーンモデルが2021年度で終了。また山口智子、菊川怜らが務めた東レキャンペーンガールも「男性起用も検討する」とコメントしている。

 ミス日本でも20年から水着審査を廃止し、審査員の女性比率を増やすなど改革をしてきた。さらにこうした風潮に対して和田氏は「まだまだ変えなきゃいけない部分はあるとは思う。ご意見をいただいたら、それを真摯に受け止め、協会の方で議論をしていきたい」と柔軟な姿勢を示した。

 その上で男性参加の可能性についても言及。「(前任の)私の母の時にも『ミスター日本ができたらいいね』という話もありました。ミス日本は美人コンテストではないんです。広い意味で成長と育成のコンテストなので女性だけに限らなくてもいいのかな。そういう広がりも、もし可能性があったら、あるんじゃないでしょうか」と前向きに話した。

 最後に和田氏は「変化をしていかないといけない。若い人に受けたい、ここで挑戦したいと思ってもらうことが大事。応募者がいないと育成もできないので。若い人たちが何を求めているのかキャッチしていきたい」と意気込んだ。