1/19(水) 19:35配信
スポーツ報知

直木賞に輝いた今村翔吾さん

 「塞王の楯」(集英社)で第166回直木賞に輝いた今村翔吾さん(37)の受賞会見が19日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われた。

 グレーのスーツにグレーのマスクを着け、受賞作を大切そうに抱えて登壇した今村さん。「やっと、ここまで来たかという気持ちが一つ。一報を受けて、まさか自分がと思いましたが、号泣してしまいました」と冒頭に明かした。

 「直木賞は夢で、野球少年がイチロー選手みたいに首位打者を獲りたいとか、ゴールデングラブ賞を獲りたいとかと一緒。僕はもともとダンスの先生で、30歳になるまで一切、小説を書いたことがない人間。子どもたちに30歳になっても夢はかなうと証明したかった。もともと直木賞を獲ると公言してきた。子どもたちを裏切らなかったという安堵の気持ちで泣いてしまいました」と涙の理由を明かした。

 今後について、「これから5か月で5冊、本が出るんですか? 僕は。1回、時間をゆっくり時間かけて(執筆に)臨みたい気持ちもあるんですけどね。直木賞は夢だったけど、明日には過去になる。次なる目標を持っていきたいと思います」と話した。

 さらに「こういう(コロナ禍の)状況じゃなければ47都道府県を回ってね。車も買っていた。僕は書店を経営していて、きれいごとじゃなく、47都道府県回って、書店さんを応援していく計画をしています。僕はこの約束を必ず守る。明るく、楽しく『翔吾、来てくれ』と言われたら、全国、回りますので」と約束した新直木賞作家。

 この日は人力車で会場入り。「山本一力先生が自転車で来たと聞いて、あとは人力車くらいしかないなと。文学賞はお祭りだと思ってます。僕の大好きな直木賞を知ってくれという思いで乗ってきました」と話すと、「面白いものを書きたい。面白い小説を届けたい」と笑顔で言い切った。(中村 健吾)

https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20220119-01191149-sph-000-2-view.jpg
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7f9289329da5d84b626d3398df19198f465f183