レコーディング中、ソニーの関係者がYOSHIKIの元を訪れた。

「二人きりで会いたいです」
そういわれたYOSHIKIは、担当直入に聞いた。

「何かあったんですか?」
「実は、来年ソニーが株主を上場するのですよ」
「へぇ、そうなんですか」

なぜ、そんなことを聞かされるのか意味を計りかねていると、ソニーの関係者は話しを続けた

「上場を申請するには、5年間の経営利益は右肩上がりの必要がある。91年は提出する最後の年でに当たり、昨年を上回る必要がある」
「今回、2枚組のアルバムを発表する予定だということですが、1枚にしてくれませんか。そして、発売時期を早めて欲しいんですよ」

とのことだった。当然、納得のいかないYOSHIKI。

「嫌ですよ。それに上場なんて、Xに関係あるんですか?」
「今年、XのCDが50万枚売れれば、我が社が必要とする売り上げが達成され、上場できるんです」
「タイムリミットは?」
「7月1日の発売です」
「僕が断れば?」
「上場できなくなるのかもしれません。このアルバムには社運がかかっているんですよ」

YOSHIKIはこう思ったのです。「また音楽とは全く関係ないところで自分達の創作活動が縛られてしまうの。」「これがメジャーでやるということだったのか。。」数日考えた後、YOSHIKIは仕方なくソニーの要請を聞き入れたのです。。
2枚組アルバム「ART OF LIFE」の構想は白紙に戻し、7月1日に1枚のアルバムを出すことを承諾したのです。