1/12(水) 6:15配信
東スポWeb

阪神・藤浪(右)の質問に答える巨人・菅野(球団提供)

 求められているものは――。昨季は自身初の開幕投手を務めながら3勝止まりの阪神・藤浪晋太郎投手(27)は沖縄・宮古島などで巨人・菅野智之投手(32)らと合同自主トレを行っている。ライバル球団のエースに弟子入りして「投球フォームの再現性」を学ぶ姿勢は「今年こそ」の意気込みの表れだろう。ただ、見守る首脳陣が関心を寄せているのは「誰と何をしたか」ではなく「どう結果を出すか?」だ。

 今月上旬から宮古島や沖永良部島で菅野らと合同自主トレを行っている藤浪は11日に練習を報道陣に公開。「やっぱり勉強になることが多いですし、オフの期間しか他球団の一流の方に話を聞くことはできない。考えを改めてというか、新しい視点で投球をフォームを見れてやっています」と充実の表情で話した。

 現地では体を動かして汗を流すだけでなく、球界屈指の右腕を質問攻めにしているという。投球時の軸足の使い方や、それを具現化するトレーニング方法など、高度な技術的アドバイスもうけているそうで「日本でトップクラス、一番と言っていいほど再現性の高い、安定感のある投球スタイル」と尊敬するGのエースからノウハウ習得に務めている。

 今回は特別な関係≠ノあるチームのエースへの弟子入り。ただ、周囲は好意的に受け止めており、矢野監督も「自分から(菅野)に連絡したみたい。そういうのって、どうしてもっていう強い思いがないとできない」とし、復活にかける決意の表れと理解を示している。

 しかし、最も大事なのは結果につながるかどうかだろう。かつてのエースも今季でプロ10年目。成功への方法論に焦点をあてる時期は過ぎた。求められるのは開幕後にどんなパフォーマンスを披露するかだ。そのために必要なのは意外にもキャンプで「投げない勇気」だという意見がある。

 近年の藤浪はキャンプで1日100〜200球の「投げ込み」を1クールで何度も行う傾向がある。チーム事情に詳しい関係者は「投げないと不安なんだと思う。これがヒジとか肩を故障した投手が『ここまで投げられるようになりました』というのであれば喜ばしいんだけど、もともと投げるスタミナはめちゃくちゃ持っているし、それはコーチも知っている」とした上で、こう続けた。

「オフに身につけた知識なり、試したことを限られた球数でどうやれるのかも大事。シーズンに入ったらキャンプ中のように、ちょっとしっくりいかないから『もう10球、20球』というわけにいかない。試合での目の前の1球は、やり直しの利かない1球なわけだから」

 藤浪はオフになると動作解析や肉体改造など、様々なアプローチで復活を模索してきた。キャンプでは描いた理想を体現するべく、ブルペンで投げ込み、反復することで復活へ足掛かりを築こうとしてきた。しかし、現実的には15年に3年連続2桁勝利となる自己最多14勝を挙げてから成績は右肩下がりだ。

 直近2年は救援での登板も増えているが、節目の今季は「やっぱり先発で勝負したい」と決意を新たにしている。結果で成果を示すことが、菅野への恩返しにもなるはずだ。

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